application/pdf律令国家により銭貨が発行されると、平城京や平安京などの都城を中心に銭貨が流通すると同時に、銭貨による出挙(利息付き貸付)が広範に行われるようになった。この銭貨出挙については、これまでも古代史の分野で膨大な研究蓄積がある。なかでも正倉院文書に残るいわゆる「月借銭解」」を素材とした研究により、古代の写経生の生活の実態や、各官司・下級官人による出挙運営の実態を明らかになってきた。だが古代の都市生活の中で銭貨出挙が果たした役割についてはなお検討の余地がありそうである。そこで本稿では、正倉院文書、木簡、六国史の記事を再検討し、銭貨出挙が都市民に果たした役割を総体的に検討した。 正倉院文書の「月借銭解」(借銭文書)といえば宝亀年間の奉写一切経所のものが有名だが、宝亀年間より前の借銭文書からは、短期貸付の場合の無利息借貸、銭の運用のために貸し付けられた「商銭」、天皇の即位等にともなう「恩免」など、出挙銭のさまざまな存在形態をうかがうことができる。出土木簡からも銭貨出挙が平城京や平安京で広範に行われていたことが推定でき、借用状の書式の変遷を知る手がかりを与えてくれる。 銭貨出挙の際に作成される借用状は、奈良・平安時代を通じて「手実」「券」などと呼ばれ、不整形な紙が用いられていた。平安時代の借銭文書の実物は残っていないが、書式は奈良時代の借銭文書のそれを踏襲していたとみてよいだろう。 康保年間(九六四〜九六七)の「清胤王書状」の記載から、銭貨出挙のような銭貨融通行為が、銭貨発行が途絶える一〇世紀後半に至ってもなお頻繁に行われていたものとみられることは興味深い。銭貨出挙は律令国家による銭貨発行以降、都を中心に恒常的かつ広範に行われており、これを禁ずることは平安京にお...
研究代表者publisher機関番号:34419; 研究種目:若手研究(B); 研究期間:2010~2012; 課題番号:22730033; 研究分野:社会科学; 科研費の分科・細目...
本論は,近代において仏教教団がどの様な役割を果たしたかを検討する上で,特に,その社会的対応に視点を当てて見たものである。明治維新以降,神仏分離,排仏毀釈,神道国教化などの政策が展開され,その結果として...
本論の目的は,戦後日本の歴史学を牽引し,大正デモクラシー研究で知られる松尾尊兊(1929-2014)の軌跡と学問形成を実証的に明らかにしながら,分析概念「大正デモクラシー」の内実を再検討することである...
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application/pdf広島県福山市の草戸千軒町遺跡は、芦田川が瀬戸内海に注ぎ出る河口付近に成立した中世の港町である。出土資料の中に、物品名・数量・金額・商行為などを記した木簡があり、地方都市に...
アンデス文明形成期の後期から末期にかけての時期は、神殿の変容をはじめ、社会システムの大きな変化があったとされる。特に、後期には高い装飾性をもつ「黒色磨研土器群」がアンデス地域の広範囲に分布し、末期には...
本稿では、江戸時代、鎖国期における日本国内への海外産陶磁器の流入について考える。長崎が中国陶磁の入り口として主要なものであったことと、長崎に入ってきた幅広い種類の商品から選択された特定のものが江戸まで...
わが国の古代における地方中心地として、都市計画にもとずいて建設されたと考えられる国府は、農村計画として施行された条里制の土地割の上に、その界線を基準として建設されたとする、米倉二郎氏の仮説は、国府と条...
特集 : 山本明コレクション福家崇洋, 上田学 編Special Issue: the Yamamoto Akira CollectionGHQ/SCAPによる日本占領の末期の経済政策及び労働政策の方...
倭に須恵器が伝わったのはいつで,どこからか,またその須恵器はなぜ導入されたのか,土器生産を通して倭と朝鮮半島の交流を探ることを目的とした。構造窯を使った土器生産が伝わったのを,時期あるいは地域を考慮し...
application/pdf本稿は、鎌倉中期における漢籍の京都から鎌倉への移入、御家人らへの伝授と相互書写による本の累積、そして地方への拡散のありかたを将軍家や御家人の人的ネットワークとその所領関係...
中世における都市遺跡研究のひとつのテーマは、遺構と遺物によって再構成される遺跡の空間構造から、各時代における社会の仕組みとその変化過程を説明するところにある。これまで京都の考古学資料は、その量があまり...
鹿児島県徳之島カムィ窯の中世須恵器は,中国陶磁,九州西部産の石鍋とともに,南西諸島における貝塚時代からグスク時代への転換を具象するモノ資料として注目されてきた。小稿は,1984年度の調査資料について,...
讃美歌412番「わがやまとの」は、1947年6月12日、昭和天皇の神戸女学院来院時に生徒たちが自然発生的に唱和したと伝えられるが、現行の讃美歌集に掲載されず、今の教会では歌われない。この歌は一体いつか...
16世紀から19世紀にわたり、西欧諸国に強大な封建制度が敷かれ、幾多の絶対王朝が君臨した。その中でオランダは16世紀に入り商人を中心に民主的政治を強め、市民が自治平等の立場で協力しあい、海面下を干拓し...
研究代表者publisher機関番号:34419; 研究種目:若手研究(B); 研究期間:2010~2012; 課題番号:22730033; 研究分野:社会科学; 科研費の分科・細目...
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