昭和55年度からスタートした文部省の第5次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画以降、現在の「40人学級編制」が施行され、平成12年5月現在(文部省調べ)、1学級当平均児童・生徒数は小学校27.2人、中学校32.4人と改善されてきている。 しかし、反面では、子どものゆとりのない学校生活、自立的思考力の欠如、いじめ・不登校の問題等の現状が指摘され、このため、中央教育審議会答申(平成10年9月21日)にも提言されているように、教育効果を高めるため教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みに改善するなど、学校・学級規模の適正化が急務の課題とされている。また、国会においても、公立初等中等教育に関し、わが国として、学級編制及び教職員配置等に関する国際比較を含む基礎資料のなさが問題として指摘されもした。 このような諸課題の解消に向けて、文部科学省は、教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議からの報告『今後の学級編制及び教職員配置について(報告)』(平成12年5月19日)を得、それに基づいて、このたび、少人数授業の実現を柱とする第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成13年度~17年度)をスタートさせたばかりである。 しかし、今後、適正な学級集団及び学習集団の規模をどのように編制していくか、規模の違いが教育効果にどのように影響するか、教職員の職務や分業体制をいかに整えていくか等をめぐっては、さらに一層の基礎的資料の収集を継続的に行う必要のあることは疑いのないところであろう。 このようなところから、私たちは、学級編制及び教職員配置等に関する調査研究を実施し、教育効果を高める教職員配置の施策に資する基礎的な知見を得ることを目的に本研究に着手した次第である。 本報告書は、この研究の一環と...