本論考で筆者は,カントが晩年に書きためた遺稿集『オプス・ポストゥムム』のテーマが,経験の体系的統一を可能にする質料的条件の究明にあったとする解釈を提出する。カントによれば,物質の種別的差異を成り立たせる諸々の経験的運動力が,単なる寄せ集めではなく一個の体系を形成するためには,それら一切の経験的運動力がそこから派生すべき,根源的元素(エーテル)の存在が要請されねばならない。エーテルは従来,熱や光を伝える媒体として想定された自然哲学上の仮説であったが,カントはここで,エーテルを(体系としての)経験の可能性のアプリオリな(質料的)条件として資格づけたことになる。この資格づけの正当化を図った論証が「エーテルの演繹」に他ならない。カントはそこで,空虚な空間の知覚可能性如何の問題と関連づけてエーテルの存在論証を行っている。筆者はこの存在論証を首尾一貫したものとみなす解釈を提示したが,批判哲学の体系的整合性の観点から見たとき,この論証は重大な問題を後に残したと考えられる。departmental bulletin pape
本稿では、日本の家族社会学で展開された、社会生活上の「家族」に関する議論を取り上げ、その変化の過程を追うとともに、現代的課題を検討する。当初、社会生活上の「家族」への問いは、「個」の制約をめぐる社会規...
現在学校では、いじめ、不登校、学級崩壊等さまざまな問題を抱えている。その原因は多岐にわたると思われるが、大きな原因の一つに児童生徒が自分自身に対して自信が持てない、自己のありのままを受け入れられないと...
教育=文化の伝達と広義にとらえるならば,教育という営みは人類の歴史とともに普遍的に存在する事象であるということができるかもしれない。しかし,思想一般からの教育思想の分化,「教育思想の独立主題化」の傾向...
本論考で筆者は,カントが晩年に書きためた遺稿集『オプス・ポストゥムム』のテーマが,経験の体系的統一を可能にする質料的条件の究明にあったとする解釈を提出する。カントによれば,物質の種別的差異を成り立たせ...
本稿の目的は優越要因説を擁護することである。優越要因説はマルクス主義社会理論の代名詞と呼ばれるほどマルクスの諸理論と結びつけられて考えられることが多い。マルクスの諸理論は現在あまり着目されないが、筆者...
哲学史には多くの善と美の緊密な観点がある。それらは異なる前提をおい ているにもかかわらず,どの観点においても善と美は緊密な関係があるとい う結論が得られる。 当時の理論の核を構成した概念の対象は,現代...
本稿では日本語中級授業での活動を自己調整理論を援用し、分析・考察した。対象の活動は1コマの授業の中で2回行う設計の口頭発表活動と発表直後の自己内省活動である。これらは課題パフォーマンスの向上を目的に設...
わが国の政策評価はアメリカで使われる「業績測定\u27performance measurement\u27」と(ABCや5段階の)「評定(rating)」を中心に普及している。しかし、他方でこれもア...
面接相談とは異なった心理的援助活動であるといわれる「いのちの電話相談」における一回限りのやりとりを「事例」として捉え、そこでのコーラー・相談員の関係性に焦点をあてて分析することで「いのちの電話相談」の...
publisher奈良本研究の目的は、ストレス状況によって、気分や自動思考に違いが見られるかを検討することである。そして、CBTの代表的な認知的技法である認知再構成法を通して、認知と気分の関係を明らか...
本論文の第一の目的は、精神分析学、特にフロイト-ラカン(派)の社会理論を古典的な社会理論であるデュルケムの社会理論と接続させて理解することによって、フロイト-ラカン(派)を従来の社会理論の中に位置づけ...
本稿は、共犯関係の解消は何をもって認められるかについて、判例の動向を踏まえつつ、論じたものである。 共犯関係の解消に関しては、因果的共犯論を前提に、因果性遮断説からアプローチするのが一般的となってい...
publisher奈良近代主義に対する批判は既に終息したように見えるが必ずしもそうではない。そして現代文化の中では、例えばポスト・モダンに通じるエコロジーの思想とモダンの先端をいく人工的な生命科学とが...
[[abstract]]當前學界有關「詮釋學」與「陌生性問題」、「異文化理解」或「跨文化理解」等問題的討論,往往以高達美的詮釋學為代表,去認肯或否定「詮釋學」對上述問題的可能貢獻,既忽略了「詮釋學」理...
publisher奈良本研究は、個人の人とのつながり方が、人との距離の取り方にどのように反映されるかを、Wilfred,Bion(1961)の原子価の概念に基づき検証するものである。 Hall(196...
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