application/pdf畿内,東国,北部九州の古代集落は,8世紀の安定期を終えた後に,それぞれ異なった展開をたどる。すなわち,畿内では9世紀に入ると不安定化し,東国では10世紀に入って衰退するのに対し,北部九州では9世紀初頭に衰退してしまうのである。しかし,衰退したり不安定化したりする原因については,あまりはっきりとしていない。集落の衰退・消滅の背景を探るには,まずは個々の遺跡の景観を復原していくことから始めるしかあるまい。 本稿では,福岡市教育委員会が刊行した発掘調査報告書の悉皆調査を踏まえて,福岡平野の中心部を貫流する御笠川左岸の低位段丘上に,8世紀初頭から末まで稠密な集落群が営まれたことを確認した上で,その住人たちの食料生産の基盤であった可能性がある御笠川左岸の低湿地・微高地,及び右岸の低湿地・微高地上の水田や集落の展開を追ってみた。その結果,8世紀末から9世紀初頭にかけて起こった大洪水によって水田面が広範に埋没したことが周辺住民の生産基盤を破壊し,これが原因となって集落が途絶えたのではないかと考えた。 御笠川右岸には延暦年間に設定された観世音寺の荘園があったが,同じ場所が勅旨田とされてしまったのは,そこが洪水によって埋没してしまい,荒廃してしまったためであろう。この水田面は厚い洪水砂によって一旦埋められ,再開発は容易ではなかった。現地は貞観年間でも,ところどころに新開田や再開発田が点在する景観だったことが文献史料から窺えるのである。 このように,福岡市の中心部分にあった古代集落に関しては,その衰退の大きな原因が水害という自然災害にあったことを,発掘調査の結果と文献史料とを総合して明らかにすることができ,その復旧が容易ではない状況も,関連史料によって説明することが...
application/pdf本論文は,近年の日本で極めて広範な対象を文化資源化している「近代化遺産」をめぐる動きを明らかにすることを目的として,とくに軍事施設までもが文化資源化される現象を取り上げた...
application/pdf考古学からみた江戸は市中を中心に進んだ発掘調査によって全貌が徐々に明らかにされつつある。特に焼物をつかって江戸市民の暮しの復原や武家と町民の比較研究も盛んである。江戸時代...
高度経済成長期を契機とする植生景観変化とその背景について,岡山県北部の中国山地(津山市阿波),京都市北部郊外(左京区岩倉付近),伊勢湾口の離島(神島)の3つの地域を例に,写真や文献類,また古老への聞き...
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application/pdf古墳時代後期の6世紀に日本列島の各地で造営された墳丘長60メートル以上の大型前方後円墳の数を比軟すると,他の諸地域に比べ関東地方にきわめて多いことが知られる。律令体制下の...
application/pdf7世紀における地域社会の変化については,律令制の浸透とともに,国郡里制の地方支配やそれを支える官衙群,生産工房群,宗教施設群の成立として捉えられている。一方で,古墳時代以...
本稿では喜界島・奄美大島と薩摩・大隅地方の中世遺跡について両地域で出土した建物跡・土坑墓などの遺構と中国陶磁器などの遺物を比較し,11世紀後半から16世紀を5段階に分けて関連を検討した。11世紀後半~...
application/pdf本論は,日本列島・古墳時代および韓半島・三国時代の古墳・集落出土土器資料を対象に,5世紀代における栄山江流域を中心とする全羅道地域と日本列島中央部に位置する近畿地域との相...
application/pdf群馬県内の終末期古墳では普遍的に存在する,横穴式石室の前面に広がる前庭構造について,従来は,古墳時代後期に群馬県地域で独自に土着した構造であると解釈されていた。しかし,近...
八重山・宮古といった先島諸島には,沖縄本島では見られない石積みで囲われた集落遺跡がある。発掘調査によってそこから出土する中国産陶磁器は膨大で,それらの遺跡は13世紀後半から14世紀前半に出現し,15世...
application/pdf奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳からは,金銅製や金銅装の馬具,銅鏡,玉飾り,金銅製装身具,飾り大刀などの豪華な副葬品とともに,斧・鉇・刀子・のみ・鎌・鋤などの鉄製農工具の雛型品が...
日本列島中央部に形成された倭国は日本とよぶ中央集権国家に発展していくが,その過程で同一の国家でありながら10余の京――都城を形成し,変遷を重ねた。その内には条坊式の方格地割をもつ都城が5例ある。これら...
application/pdf本稿では,土器・陶磁器類の流通・消費という側面に焦点を当て,都市とその周辺村落との比較という視点から,平安京とその前後の時期を考古学的に検討した。 まず,11世紀中頃以前...
application/pdf哀悼傷身の習俗の一つに抜歯がある。この抜歯は18~19世紀のハワイ諸島の例が有名である。抜く歯は上下の中・側切歯であって,首長や親族の死にさいして極度の哀悼の意をあらわす...
本稿は広島県に例をとり,太田川の川上と川下とを関連づけながら両者を比較し,高度経済成長の影響を検証することを目的としている。水を媒体にして深く結びついていた川上と川下に視点を置くことによって,これまで...
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