日本列島中央部に形成された倭国は日本とよぶ中央集権国家に発展していくが,その過程で同一の国家でありながら10余の京――都城を形成し,変遷を重ねた。その内には条坊式の方格地割をもつ都城が5例ある。これらは中国の都城を制度として継受して造られた。ではそれ以外の都城はどんな実態で,都城全体はどう形成されてきたのか。条坊式都城より非条坊式都城が先行して出現するだけでなく,併行して営まれたものもある。非条坊式都城は副次的に把えられてきたが,かえって国家権力の本質や日本での都市の骨格を示すとみることもできると考える。非条坊式都城は,ほぼ7世紀代の100年間,倭の飛鳥に営まれた倭京(やまとのみやこ)から始まる。宮殿や豪族邸宅や寺,饗宴のための苑池,防備施設などが広大な地域を占めていた。650年代からは山城などの防備の中核施設も領域内に営まれたとみられる。このような防備された都市として最も典形的なのが九州の大宰府である。大宰府は朝鮮半島の三国の都城の重要な要素を継受し,亡命百済人の手で造営が指導された。その水城,小水城,山城,政庁,都市部分が発掘されている。しかし羅城は西側に認められるだけで,全貌は明らかでなかった。羅城南辺に当るとうれぎ土塁の発見により東側にも西側と同原則で羅城が復元できることが判った。その羅城内は郭と呼ばれ,正南北方向の地割をもち,左郭・右郭・南郭に分けられていた。南郭には条里が施行された。左・右郭の条坊も朱雀大路などの設けられた奈良時代前半ころには存在し,後に郭の中央部では10世紀に大規模な都市再開発がされたことも判明してきた。大宰府は朝鮮半島の都城よりも雄大な構想をもつもので,宮が遷されたことがないので京とは呼ばれないが,都城の一形態と評価できる。自然地形も最大限に利...
application/pdf奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳からは,金銅製や金銅装の馬具,銅鏡,玉飾り,金銅製装身具,飾り大刀などの豪華な副葬品とともに,斧・鉇・刀子・のみ・鎌・鋤などの鉄製農工具の雛型品が...
唐代伝奇『枕中記』が源泉となる有名な「邯鄲の夢」の故事は、『太平記』(流布本)巻二十五「自伊勢進宝剣事付黄梁夢事」、謡曲『邯鄲』での改変を経て、近世では重要な趣向としてよく生かされ、数多くの戯作に影響...
application/pdf大規模集落が複数の居住域から形成され,首長によって再編成された単一の集団として構成されていないという認識は一般化しつつあるが,それを基盤にした弥生社会像は明確ではない。本...
application/pdf日本列島中央部に形成された倭国は日本とよぶ中央集権国家に発展していくが,その過程で同一の国家でありながら10余の京――都城を形成し,変遷を重ねた。その内には条坊式の方格地...
application/pdf古墳時代後期の6世紀に日本列島の各地で造営された墳丘長60メートル以上の大型前方後円墳の数を比軟すると,他の諸地域に比べ関東地方にきわめて多いことが知られる。律令体制下の...
application/pdf日本の近世城郭は各地の地域性を払拭した統一的な織豊系城郭として成立した。これは安土城,大坂城などを規範として全国に展開したことが確認されてきた。しかし徳川幕府の中心であっ...
400年間も続いた古墳築造社会から律令体制への時代転換にあたって,新たに導入された地方支配方式の史的画期を追究する。『播磨国風土記』をひも解き,郡里領域を比定しながら,古墳や寺院の地域的実態と比較する...
7世紀における地域社会の変化については,律令制の浸透とともに,国郡里制の地方支配やそれを支える官衙群,生産工房群,宗教施設群の成立として捉えられている。一方で,古墳時代以来の墓制も残存しており,とりわ...
日本列島で古代国家が形成されていく過程において,本州島北部から北海道には,独自の歴史が展開する。古墳時代併行期においては,南東北の古墳に対して,北東北・北海道では続縄文系の墓が造られる。7世紀以降は,...
東日本の初期弥生文化を特徴づける墓制は,再葬墓である。再葬は,いったん遺体を土中に埋めたりして骨になるのを待ち,再びそれを埋葬する葬法をさす。この時期,とくに壺棺が蔵骨器として多用されるために,そうし...
application/pdf日本住宅公団によって昭和34年から建設がはじまった赤羽台団地(所在地:東京都北区,総戸数:3373戸)は,団地としての様々な試みが実現した記念的な団地ということができる。...
小稿はカツオ一本釣り漁の様子を描いて社寺に奉納された絵馬,すなわち「カツオ一本釣り絵馬」を分析することにより,和船時代のカツオ一本釣り漁の実態を明らかにすることを目的としている。文献資料に制約があり,...
本稿では喜界島・奄美大島と薩摩・大隅地方の中世遺跡について両地域で出土した建物跡・土坑墓などの遺構と中国陶磁器などの遺物を比較し,11世紀後半から16世紀を5段階に分けて関連を検討した。11世紀後半~...
江戸市民にとっての名所は、自然との交流と神仏との交感によって、「延気」を約束してくれる場所であった。江戸市民は、一八世紀以降になると、名所をめぐる広範な行楽行動を展開するようになっていき、江戸の近郊で...
application/pdf本論文は,近年の日本で極めて広範な対象を文化資源化している「近代化遺産」をめぐる動きを明らかにすることを目的として,とくに軍事施設までもが文化資源化される現象を取り上げた...
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