「満州国の教育」は、本質的には「植民地教育」であったが、満州国のもつ重要な役割からして、只単に「奴化教育」、「愚民化教育」と批判しただけではその実態を十分に明らかにしたとは言えない。批判の一つの根拠となっている「実業教育重視」を取り上げ、これが中華民国創建当時からの教育改革の主眼であったにもかかわらず、封建的軍閥政治の中で有効に実施されず、その主旨が満州国に引き継がれていく経緯を検証することで「満州国の教育」の実態に迫ってみようと試みた。その結果、満州国の教育は、「植民地教育」という根本的矛盾の中で、実業をより手厚く制度化することで、中華民国が果たそうとした近代的教育の実施を継承し、更に推進する一面を持っていたと言える。満州国実業教育デユーイ奴化教育植民地教
本研究は景観復原の資料としての地籍図の不備を補うものとして土地台帳の資料的価値を検討した。地籍図の資料的問題点は情報の時間性を欠いていることである。そこで土地台帳の分筆・合筆情報を経年的に追い、明治・...
『伊曾保物語』は十六世紀後半、キリスト教の宣教師によって伝えられたイソップ寓話集の和訳本であり、国字文語体で書かれ、古活字本、整版本で出版され、一般に広く普及した書物である。この書物はイソポの伝記と寓...
竹田聴洲の祇園祭調査と写真フィルム斉藤利彦〔抄録〕近年、民俗学者竹田聴洲とその民俗学に関する研究は進展しつつあり、竹田の再評価が始まっている。竹田の研究業績は著作集全九巻に報告書などをはじめ、論考があ...
宮沢賢治の保阪嘉内宛書簡の一つに「あなたはむかし」の書き出して始まる、大学ノート四頁に書かれたものがある。この書簡には日付の記入がなく、従来は大正十年七月下旬に書かれたものと推定され、宮沢賢治と保阪嘉...
本稿は宋代都市における下層民を中心とした人口構成と、その都市内分布を考察した。そのために、従来十全に活用されなかった下層民に対する救済措置である賑済に関する史料をより詳細に分析し、賑済時における都市下...
小学校家庭科教育における課題の一つとして、学習した知識や技術などが実生活で十分に活かされていないことがあげられる。そこで、学びを生活の中で継続して実行し、生活をよりよくしようとする態度や技能を「生活実...
「満州国の教育」は、本質的には「植民地教育」であったが、満州国のもつ重要な役割からして、只単に「奴化教育」、「愚民化教育」と批判しただけではその実態を十分に明らかにしたとは言えない。批判の一つの根拠と...
異熟(vipaka)は、有部経量部 瑜伽行派のいずれにおいても語られる概念である。有部においては六因の一つに異熟因(vipaka-hetu)があり、経量部においては因から果が生じる際の「相続の特殊な変...
本稿では、戦後70 年を迎えての福祉教育開発センターシンポジウムの企画意図とともに、テーマ「平和と福祉」への視点を深めるための事前学習会について概説している。また、福祉教育における「平和と福祉」への問...
鎌倉期に暦道家賀茂家は分化し、中世的家を確立した。十世紀に活動した賀茂保憲を自らの家の始祖として、様々な口伝や、家伝を創りあげていった。その中でも、中世賀茂家の祭祀次第書である『文肝抄』に見られる保憲...
本稿では虚妄分別という複合語の構造を知り得る文献資料を紹介し、その資料の分析に基づいて、虚妄分別には二つの表現様式があるということと、その複合語の解釈においても二つの傾向があるということを述べる。まず...
近時、魏の曹操高陵(河南省安陽県安豊郷西高穴村)が発見されたことは、日中両国において大変な評判を呼んだが、二〇一六年に河南省文物考古研究院『曹操高陵』が刊行されるに及び、漸くその全貌が明らかとなった。...
本稿では,伊豆諸島にある八丈島と青ヶ島の巫者が行う死者の口寄せの事例を報告している。八丈島と青ヶ島ではミコと呼ばれる女性の巫者が,死者の口寄せを行う。これが「ナカヒト」や「ナカシト」と呼ばれた。当該地...
魏志倭人伝記の記述のなかでも、もっとも史料性が高いとされるのが魏の皇帝から卑弥呼に与えられた詔書の部分であり、そこに記された下賜品のうち「金八両」に関して、漢魏における金の使用のなかで把握するとともに...
漢代の「史書」は、一般的には書体(隷書や大篆)を意味すると考えられているが、一方で「吏書」=官文書とする異説があった。張家山漢簡・史律の釈文が公表されると、そこに見られる「史書」をめぐって、文献史料と...
本研究は景観復原の資料としての地籍図の不備を補うものとして土地台帳の資料的価値を検討した。地籍図の資料的問題点は情報の時間性を欠いていることである。そこで土地台帳の分筆・合筆情報を経年的に追い、明治・...
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『伊曾保物語』は十六世紀後半、キリスト教の宣教師によって伝えられたイソップ寓話集の和訳本であり、国字文語体で書かれ、古活字本、整版本で出版され、一般に広く普及した書物である。この書物はイソポの伝記と寓...
竹田聴洲の祇園祭調査と写真フィルム斉藤利彦〔抄録〕近年、民俗学者竹田聴洲とその民俗学に関する研究は進展しつつあり、竹田の再評価が始まっている。竹田の研究業績は著作集全九巻に報告書などをはじめ、論考があ...