application/pdf「民衆の生活文化史」はどこでも安易に使われる耳慣れた研究テーマである。ところがその中身は,となると,抽象性が前面に出て空疎な民衆・人民概念が横行するのが,残念ながら戦後歴史学の実態ではなかったろうか。 生活文化史を主唱するならば,まず「民衆」を抽象性から解放すべきであろう。歴史創造の主体である民衆はもちろん生身の人間であることを確認すべきである。これらは,支配・被支配の国家論を越えて実在するのである。ひとまず,衣食住という狭義の生活史一例をとってみても、文献史学は長くこれを苦手としてきた。また,これを誇りとするような自己欺瞞の中にいた。民衆の衣食住は,何か文化の底流であり,歴史をリードすることと無縁なものと考えられていた。 抽象性に満ちた民衆万能の人民観と文化無縁の民衆観に挾撃されて、生活文化史は停滞してきたように思われる。 これらを克服するためには,生活文化史概念のゆるやかな検討をくりかえしやらなくてはならない。この作業と同時進行して史料論の一新が図られねばならない。 そして,文献史学からの生活文化史へのこだわりのうえに関連諸科学,考古学,民俗学等との学際的研究が行われねばならないであろう。 このためには、まず,地域史での生活文化史のフィールドワークが積み重ねられていく必要があるのである。 本稿は,上州赤城山麓の村々をフィールドに18世紀後半~19世紀前半にかけて起こった生活文化史上の変革を追求する。 赤城型民家というこの地域特有の住居に凝集されてくる民衆の生活文化の実態を文献史料の見直しを通し,またこれに近世考古学,民具学の成果を援用しつつ,具体相をもって明らかにしたいと思う。The “Cultural history of people” ...
「聞き書き」は民俗学の資料収集の主要な方法である。そしてどんな「聞き書き」であれ,それは語る人の体験と伝承されてきた口承が多かれ少なかれ弁別できない形で融合している。その「聞き書き」のなかで伝承されて...
application/pdf近年、日本で「歴史認識」という言葉を再三再四耳にする。なぜ、現在において歴史認識が盛んに議論され、問題にされているのだろうか。歴史認識とは非常に把握しにくいものだが、近年...
application/pdf古代においても,私印は文書に捺されるのが最も普通の用途である。ところがまれに,焼成前の土器に捺した事例が見られる。生産窯や貢納主体の国や郡を表示するために印を土器や瓦に捺...
「民衆の生活文化史」はどこでも安易に使われる耳慣れた研究テーマである。ところがその中身は,となると,抽象性が前面に出て空疎な民衆・人民概念が横行するのが,残念ながら戦後歴史学の実態ではなかったろうか。...
application/pdf千曲川流域の沖積低地には,弥生時代から近世にわたる数多くの集落跡と水田跡が発見されている。洪水堆積層に覆われた遺跡からは,畦畔や溝で区切られた各時代の水田区画が検出され,...
本稿では,従来「漁村」とされてきた海付きの村に注目し,近現代における基本的な生業構造とその変遷,そして生業選択の背景にある人びとの意識について考察することを目的とする。海付きの村という発想は,たんに立...
application/pdf医療施設において耐性菌で最も多く分離されるmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA )は、材質によっては30 日以...
application/pdf古墳時代中期において鉄製甲冑は,古墳副葬品中で主要な位置を占める文物の一つである。その生産と配布にはヤマト政権と地域勢力との社会的,政治的関係が反映されていると考えられて...
児童を対象とした感情リテラシー研究では,年齢が上がるにつれて多くの感情ボキャブラリーを身につけるだけでなく,多様な表現で感情を表出することが示唆されてきた。しかし,年齢との関係も明確でないことや,対人...
近年の米騒動研究では、一九一八(大正七)年の騒動の発端として中新川郡東水橋町(現・富山市)が挙げられることも少なくない。それは、松井滋次郎や井本三夫らによる聞き取り調査の成果やそれをふまえた研究による...
目的:開発途上国支援に応用可能な地域看護活動について考察すること。方法:昭和30年代の岩手県S村の事例を記述的枠組みとし、筆者らが行ったモロッコ村落部B村での地域看護活動を考察する。結果: B村は、治...
われわれは、10代で出産した子育て家庭が妊娠期から出産・子育て期にどのような困難を抱え、福祉的な支援を必要としているのか、特に、地域で暮らす10代で妊娠・出産・子育てをする母親の実態とその課題を明らか...
application/pdf小林行雄は,1955年に「古墳の発生の歴史的意義」を発表した。伝世鏡と同笵鏡を使い,司祭的首長から政治的首長への発展の図式を提示し,畿内で成立した古墳を各地の首長が自分た...
私たち日本人は,日常,飯を食べるための碗を「お茶碗」(tea-bowl)と呼び習わしているにも拘わらず,こうした習慣が,どのような理由で,いつから行われていたのかについては,必ずしも明らかではない。日...
国立国語研究所国立国語研究所国立国語研究所The National Language Research InstituteThe National Language Research Institut...
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