[抄録]江戸時代中期の儒学者・芦東山が著した『無刑録』は、中国歴代の刑法思想の沿革を示し、編者の論評を加えた書物である。同書は明治時代初頭に高く評価され、元老院より刊行されて世に広まった。しかし、この刊行以前、『無刑録』はすでに複数の写本が作成されており、一部の学者の間でも評価されていた。そこで、本稿では江戸時代における『無刑録』の流布や受容の状況を明らかにする手がかりを得るため、まず筆者が新たに伝存を確認した写本四種と、芦家の後裔に伝わった写本の計五種の概要を整理した。そして、元老院刊本を底本としてこれらの写本と校勘し、この結果明らかとなった特徴から、各写本の成立経緯や相互の関係性を考察した。application/pdfdepartmental bulletin pape
今回は、近世の紀行文・旅日記等に記された奥州藤原氏、及び衣川・安倍氏・源義経に関連する記述を拾い、当時の人々の歴史認識・知識を見ることとした。結論を先に述べると、それらは概ね、先行した史書、軍記物語、...
「親書聖人血脉文集」は従来、後代横曾根門徒によって偽作せられた文献と見なされて来た。けれども、現存各古写本及び新史料蓮光寺本を検討することによって、同書が関東における親鸞在世集団のリーダーである性信自...
publisher奈良内閣文庫所蔵の『軍記抜書九種』は『保元物語』『平治物語』『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』『明徳記』『応仁記』の抜書であるが、これらは江戸時代の故実家伊勢貞丈が『五武器談』『武...
2006年8月1日誤字訂正版村上玄水著『冨國篇』五〇の提言は、中津領内で実践的に行いうる政策の提案と、中津外部への視線(無人島)とに分けられる。さらにまた前者は、『孟子』をはじめとした儒教書からの引用...
publisher奈良『太平記』のような長編の作品の場合、内容を要約したダイジェスト版が想定されるのだが、従来紹介されている資料は古態本を底本にした『太平記抜書』だけであった。ここに粗述する西尾市岩瀬...
application/pdfこれまで『台記』保延二年記写本の史料学的な調査・研究を進めてきた結果、近世に成立した一つの写本系統が明らかになったが、狩野本・広幡本・日野本については、同類型に分類できる...
『枕草子』第九十八段「中納言まゐりたまひて」段は、有名な「海月の骨」の秀句の段であるが、従来この秀句は、隆家の「見たことないほどすばらしい扇の骨だ」との発言に対し、「見たことないなら海月の骨ですね」と...
『源氏絵師屏風言葉書』は、江戸時代中期写とされる巻子本である。『源氏物語』五十四帖の本文を、一帖につき一箇所ずつ抜き書きしたもので、これに対応する源氏絵を屏風に描く目的で作成されたものと推察される。本...
日本の文藝は他國の文藝と類同性をもつ事の少い文藝である。にもかかはらずなほ多くの共通性を見出す事は困難ではない。しかも文化交流の現象の見られなかつたものとの間に酷似現象あるいは同一現象が見られる。この...
publisher奈良本絵巻は京都島原の角屋に伝来したもので、十二巻からなる。題箋には「行状記」と記されているが、その内容は弘法大師空海の誕生から入定に至るまでの伝記に、その後の事蹟数件を加えたもので...
publisher奈良" 本稿は、文化五年(一八〇八)刊の馬琴合巻『敵討身代利名号』を翻刻・紹介するものである。 本作は、親鸞上人の十字名号による「身替り」の趣向をテーマとする仇討譚である。筆者は以...
日本書紀の歴代天皇紀中、その上代の部分には、全く記事を有しない空白の年次が非常に多い。いまこれらの空白年次を除外して計算すると、その結果は治世年数に関し記註崩年干支と極めて緊密な関係があることが発見さ...
わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習...
本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の大阪版おもちゃ絵資料を影印と翻刻によって紹介し、そこに摺られた歌謡の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時代にかけて盛んに摺られ...
publisher奈良暈繝彩色とは、淡い色から濃い色へ色を段階的に変化させて作った色の帯を対比的に組み合わせて、立体感や明るい多色感などの色彩効果をあげる彩色装飾の一技法である。わが国へは中国より伝え...
今回は、近世の紀行文・旅日記等に記された奥州藤原氏、及び衣川・安倍氏・源義経に関連する記述を拾い、当時の人々の歴史認識・知識を見ることとした。結論を先に述べると、それらは概ね、先行した史書、軍記物語、...
「親書聖人血脉文集」は従来、後代横曾根門徒によって偽作せられた文献と見なされて来た。けれども、現存各古写本及び新史料蓮光寺本を検討することによって、同書が関東における親鸞在世集団のリーダーである性信自...
publisher奈良内閣文庫所蔵の『軍記抜書九種』は『保元物語』『平治物語』『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』『明徳記』『応仁記』の抜書であるが、これらは江戸時代の故実家伊勢貞丈が『五武器談』『武...
2006年8月1日誤字訂正版村上玄水著『冨國篇』五〇の提言は、中津領内で実践的に行いうる政策の提案と、中津外部への視線(無人島)とに分けられる。さらにまた前者は、『孟子』をはじめとした儒教書からの引用...
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『源氏絵師屏風言葉書』は、江戸時代中期写とされる巻子本である。『源氏物語』五十四帖の本文を、一帖につき一箇所ずつ抜き書きしたもので、これに対応する源氏絵を屏風に描く目的で作成されたものと推察される。本...
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日本書紀の歴代天皇紀中、その上代の部分には、全く記事を有しない空白の年次が非常に多い。いまこれらの空白年次を除外して計算すると、その結果は治世年数に関し記註崩年干支と極めて緊密な関係があることが発見さ...
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「親書聖人血脉文集」は従来、後代横曾根門徒によって偽作せられた文献と見なされて来た。けれども、現存各古写本及び新史料蓮光寺本を検討することによって、同書が関東における親鸞在世集団のリーダーである性信自...
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