本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の大阪版おもちゃ絵資料を影印と翻刻によって紹介し、そこに摺られた歌謡の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時代にかけて盛んに摺られた子ども向けの版画で、筆者はこれまでそれらの版画中に摺られた歌謡に注目し、多くの資料を紹介してきた。 ここに紹介するおもちゃ絵は大阪で摺られた版画であるが、従来大阪版のおもちゃ絵には歌謡が見えるものは紹介されたことがなく、貴重な歌謡資料と言える。また、掲載された歌謡は「種蒔き権兵衛」という名で知られる著名な民謡で、三重県や愛知県など東海地方を中心とした地域に広く伝承されてきた。コミカルな内容を歌うその歌謡が子ども向けのおもちゃ絵に絵入りで収録されていることは、おもちゃ絵の性格を規定する際にきわめて興味深い事実と言える。This report introduces “Omochae” printed in Osaka, which is newly found material of the songs. “Omochae”are prints for children. They were often printed from the end of the Edo era to the Meiji era. I have studied the songs printed in them, and have introduced many materials. The songs in Omochae printed in Osaka, which are introduced in this report, are different from the songs that ...
日本のことば遊びの一種に判じ物がある。判じ物は絵と文字を用いて、主として日本語の同音異義によって解読させる視覚的なことば遊びである。その判じ物の資料のうち、同類の名詞を解とする判じ物を一枚摺りの錦絵版...
天正末年に糠部郡を舞台にして起こった九戸一揆については,これまでも多くの研究が言及しているところであり,その性格もおおむね解明されている。しかしながら,この事件の全容を通史的に叙述した論攷は,1961...
publisher奈良平成4年度、5年度の文学部プロジェクト研究において、筆者は奈良、大和を舞台とした講談資料を調査収集してきた。この作業の最終的な目標は、それらの作品に見られる庶民の視点での大和像を...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
日本の中世の巷間を彩った室町小歌の代表的集成としては『閑吟集』『宗安小歌集』「隆達節歌謡」の三書がある。ところが近年、これに次ぐ第四番目の集成が出現した。昭和六十一年に東京神田の古書肆玉英堂の売立目録...
『枕草子』第九十八段「中納言まゐりたまひて」段は、有名な「海月の骨」の秀句の段であるが、従来この秀句は、隆家の「見たことないほどすばらしい扇の骨だ」との発言に対し、「見たことないなら海月の骨ですね」と...
Publisher奈良" 本稿では、学校法人奈良大学が所蔵する掛幅のうち、墨江武禅、大西圭斎、瀧和亭の掛幅作品三幅を紹介する。 最初に墨江武禅「楼閣山水図」を紹介する。墨江武禅は大坂で活躍した絵師で...
鴨長明『方丈記』の「五大災厄」の部分は、当時起きた災害の事実を基に記しているとされるが、中には「虚構」とされる部分もある。確かに、「養和の飢鯉」について見るに、養和二年の二ヶ月間に供養された遺棄遺体数...
Publisher奈良源氏物語の「紅葉賀」の巻の冒頭で、桐壷帝の朱雀院行幸における試楽のことが語られ、源氏と頭中将が青海波を舞い、当日の見ものであったが、藤壷は「おほけなき心のなからましかば、ましてめ...
小学校三年生の国語科教材として採録されている、あまんきみこの「おにたのぼうし」は、おにたという黒鬼の子どもと人間の女の子の交流を通して、他者を理解することの困難を主題化した作品として評価されている。本...
埼玉県越谷市本号では和辻哲郎の藤岡蔵六の訳書批判にはじまる、いわゆる「藤岡事件」をまず詳説する。和辻がなぜ蔵六の処女出版に強い抗議の言説を叩きつけたのか、その疑問を解くためにいくつかの文献を発掘し、そ...
publisher奈良戒重氏は、大和国城上郡戒重(桜井市)の在地武士と考えられ、南北朝時代初頭より記録のうえにみられる。もと東大寺領長田庄・他田庄の庄官であったようで、同寺衆徒でもあったとみなれる。こ...
小学校三年生の国語科教材として採録されている、あまんきみこの「おにたのぼうし」は、おにたという黒鬼の子どもと人間の女の子の交流を通して、他者を理解することの困難を主題化した作品として評価されている。本...
小学校三年生の国語科教材として採録されている、あまんきみこの「おにたのぼうし」は、おにたという黒鬼の子どもと人間の女の子の交流を通して、他者を理解することの困難を主題化した作品として評価されている。本...
三重県内で最も多い「地搗歌」は「オモシロヤ イヨノヒョウタンヤ」という噺し言葉を持つ、いわゆる「ヒョウタン節」と言われるものである。特に、今回の調査では「志摩」・「南勢」・「松阪」地区の「地搗歌」はす...
日本のことば遊びの一種に判じ物がある。判じ物は絵と文字を用いて、主として日本語の同音異義によって解読させる視覚的なことば遊びである。その判じ物の資料のうち、同類の名詞を解とする判じ物を一枚摺りの錦絵版...
天正末年に糠部郡を舞台にして起こった九戸一揆については,これまでも多くの研究が言及しているところであり,その性格もおおむね解明されている。しかしながら,この事件の全容を通史的に叙述した論攷は,1961...
publisher奈良平成4年度、5年度の文学部プロジェクト研究において、筆者は奈良、大和を舞台とした講談資料を調査収集してきた。この作業の最終的な目標は、それらの作品に見られる庶民の視点での大和像を...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
日本の中世の巷間を彩った室町小歌の代表的集成としては『閑吟集』『宗安小歌集』「隆達節歌謡」の三書がある。ところが近年、これに次ぐ第四番目の集成が出現した。昭和六十一年に東京神田の古書肆玉英堂の売立目録...
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小学校三年生の国語科教材として採録されている、あまんきみこの「おにたのぼうし」は、おにたという黒鬼の子どもと人間の女の子の交流を通して、他者を理解することの困難を主題化した作品として評価されている。本...
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天正末年に糠部郡を舞台にして起こった九戸一揆については,これまでも多くの研究が言及しているところであり,その性格もおおむね解明されている。しかしながら,この事件の全容を通史的に叙述した論攷は,1961...
publisher奈良平成4年度、5年度の文学部プロジェクト研究において、筆者は奈良、大和を舞台とした講談資料を調査収集してきた。この作業の最終的な目標は、それらの作品に見られる庶民の視点での大和像を...