江戸時代、東北北部太平洋側の地域は、度重なる「やませ」の影響を受け、飢饉に苦しめられた地域であった。ここから出土した人骨を調べたところ、古病理学的ストレスマーカーであるエナメル質減形成を認めた。その出現率や重症度は、他の地域集団よりも高く、この地域の人々は深刻な低栄養状態を経験した集団であることが、骨から裏付けられた。また、エナメル質減形成の出現率は、地域集団により男女差の有無が異なり、男女差がある理由として家父長制の浸透による女性の地位低下の傾向が指摘されている。しかし、この地域では出現率に男女の差は無かった。家の継承を重視し男児が尊重されていた江戸時代にあって、性別による出現率の差が無い事実と、エナメル質減形成の出現率の高さ、重症度の高さから、この地域の人々は、生き残るという最重要課題を前に、性別で区別されることなく育まれた人々であった。Japanese people in the Edo period repeatedly suffered from famine as a result of natural disasters and weather conditions. Areas such as the northern part of the Pacific Ocean side of the Tohokuregion (the northeastern part of Honshu) were stricken especially by famine due to the repeated impact of the yamase, a cold northeast wind observed during the rainy season and in ...
経済専門雑誌『東洋経済新報』に拠って日本の対外拡張主義や保護貿易主義を批判した石橋湛山(1884-1973)は、1910年代から1930年代にかけて経済的自由主義と国際協調主義に基づき、日本の針路につ...
十六世紀中葉からのヨーロツパ諸国との交流を契機として、天文学的理論・世界知識・世界地図などの分野を開拓されたわが国の地理学は、いわゆる蘭学の興隆によつて、地動説などのより新しい展開をみせはじめた。この...
個人情報保護のため削除部分あり幕藩体制確立期における藩主権力の確立は、江戸時代初期の問題として極めて重要である。したがって、藩主権力の確立を示す藩主親政の実態ならびに藩機構の整備を江戸時代初期の時点に...
本稿は、なぜ日本が第2次世界大戦中に「従軍慰安婦J制度を創設し、女性の身体を探閲したのかという聞いに答えを投げかけることを目的とする。この論文では、まず先の戦争は軍部の独走によるものといった、今日の日...
本論文では、「海を舞台とした人間活動と深い関連をもつ脈絡により、海の近くに築造された古墳」である「海の古墳」を研究することの意義と限界、そして展望を示す。まず、研究の意義として、首長墳の立地論や、海浜...
奈良の言語研究者宮武正道は、従来マレー語の専門家と考えられていたが、残された旧蔵資料を見ると、彼がマレー語に至るまでに辿った「語学道楽」の跡が明らかになった。中学校時代、切手蒐集の延長として始めたエス...
第二章、第三章の議論は、『都市郊外のジェンダー地理学 --空間の変容と住民の地域「参加」--』(古今書院、二〇一八)の一部を基に新たな知見を加えて再構成したものである。本研究では、戦後に計画空間として...
本稿では、近世初期における徳川将軍家の親族政策について考察した。これまで対象が譜代や外様に集中してきた近世武家編成の研究において、ほとんど扱われなかった将軍家親族の配置や役割の実態に迫るため、ことに「...
古墳時代中期後葉から後期にかけて親族構造が父系化するとされるが、その理解は研究者によって異なる。本論では中丹波地域を取り上げて、その父系化の過程を具体的に検証した。その結果、中期後葉には確かに父系化は...
前六世紀中葉以降、アカイメネス朝の支配下に入ると、小アジアは多様な文化的背景を有する人々が混在する地域となった。本稿では、かかる小アジアの南西端に位置したカリアを取り上げ、そこでいかなる文化が実践され...
国家の宗廟たる伊勢神宮では、災異が発生した際には、朝幕から祈祷命令が出されて祈祷が行われた。九世紀に怪異に対する国家の対処方法が確立されて以降室町時代までは、伊勢神宮において境内の木が倒れたり、社殿の...
専修念仏教団の教団としての発展要因について、これまでの鎌倉新仏教論でも、顕密体制論においても、専修念仏側の思想的妥協によるものと位置づけており、その僧侶集団としての形成過程については詳しく考察されてこ...
個人情報保護のため削除部分あり人の生活に欠くことができないものの一つに水がある。特に定住生活を営み、都市を形成するようになると、水の重要性が増し、井戸を掘削して地下水を利用することが盛んになる。本稿で...
恩賞充行政策は、将軍の主従制的支配権の根幹で、かつ、南北朝初期室町幕府の最も重要な政策課題であり、恩賞充行の将軍下文には、執事施行状が付されて恩賞の実現に大いに貢献した。本稿では、執事施行状の発給機関...
古墳時代の主要な武具である短甲・頸甲・冑について、生産時の系統差に基づいて組み合わせの変遷と分布を検討し、その社会的意義の一端を論じた。鉄製甲冑の導入当初は生産と流通は独占的に掌握されており、その配布...
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個人情報保護のため削除部分あり幕藩体制確立期における藩主権力の確立は、江戸時代初期の問題として極めて重要である。したがって、藩主権力の確立を示す藩主親政の実態ならびに藩機構の整備を江戸時代初期の時点に...