宋代以後の近世中国社会においては、塩の専売収入は国家の財政面において最も重要な役割を演ずる。近世における独裁君主制もこの塩の専売収入によつて支えられていたといつても過言ではない。ところでこの塩の専売収入のうちその大半を占めるのは両淮塩である。この両淮の塩政が清朝において嘉慶から道光時代にかけて崩壊する。時宛も西洋の勢力が中国に浸入し、阿片戦争が勃発した時代に相当る。国家は財政的に困窮し、歳入の増加を計るために両淮塩政の改革が行われる。この改革に際して取上げられたのがここに問題とする票法である。清代票法の起原とその発生の事情とを考察しようとするのが本稿の目的である。In the succesive periods after the Sung dynasty the incomes from the monopoly of salt played a great role in the State finance. It is no exaggeration, therefore, to say that the absolute monarchies characteristic of the modern era of the Chinese were all based upon this source of revenue. The monopolistic income of salt from Liang huai (両淮) occupied a half of the total revenue, but since the latter part of the eighteenth century it witnessed maladministrations ...
個人情報保護のため削除部分あり唐代両税法と較べて現物納付の傾向が強い宋代両税法の科徴方法が、どのような過程を経て成立したのか、不明な点が多い。本稿では、まず唐代両税法における折納の中心課題が「両税銭」...
南宋高宗建炎元年春正月は科挙の省試を行うべき時期に当つていたが、靖康の難のため施行することが出来なかつた。同年十二月揚州の行在に駐蹕していた高宗は一つの詔を発し、本来礼部が主宰して都で行うべき省試を仮...
本稿は「開元・天宝期を中心とする唐代兵制の諸様相」と云う題の下にまとめられた論稿の一部で、略々その第一章の主要部分に相当する。筆者はここで、兵役の母体をなした一般担税戸口、即ち州県籍帳に編せられた「百...
個人情報保護のため削除部分あり一三六八年、元末の混乱を収拾して、朱元璋は明王朝を創設した。王朝樹立の原動力となったのは、朱元璋が基盤とした江南地方の地主層であった。彼らの人的・物的支持があればこそ、明...
個人情報保護のため削除部分あり/ 正誤表あり(57巻3号p.489)周礼に定められている施舎制度は、特別な人には力役を免除するものであるが、この恩典にあずかるものに賢者がある。この賢者は何かと言えば、...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、票擬のやり直し、改票の研究である。従来改票については、その事実だけが指摘され、具体的過程は明らかではなかったが、筆者は、京都大学文学部蔵『明邸鈔残本』を主要な史料...
宋代地方官の機密費を公使銭という。これを貯蔵しておく倉庫が公使庫である。公使銭は衙門の修理、その他地方政治の運営のために使用されるが、その主なる目的は外国使臣、通過官吏の接待、軍隊の犒賞にあった。とこ...
明末、京林党が弾圧によって壊滅してのち、生員層を中心に復車が設立された。復社は古学復興をスローガンに、八股文の評選機関として全国的な組織をもち、復古主義を当時の一の時代思潮たらしめるうえに大きい役割を...
十世紀から十三世紀に亘る宋時代における商業の発達という現象は、中国史の流れの中でも一際めだつものであり、いろいろな角度から綿密に考証されねばならぬ。それと密接に関連する、この時代の貨幣経済の発展につい...
明代の役法に関する研究は、かなり早くから行われているが、従来は里甲制をめぐる研究か多く、里甲の役以外の雑役についてはあまりとり上げられなかった。本稿は雑役に関する諸問題のうち、とくに均徭における銀差の...
個人情報保護のため削除部分あり清代の官僚の肩書きには、頻繁に「加級」が現れる。これは、様々な褒賞の一つを形成していた。ただし、これは明代にはほとんど見出すことが出来ない。この制度は、清初から乾隆年間に...
The article examines the historical and economic development of China from the reign of the Ming Dyn...
明清時代における蘇州は政治的首都ではないが、経済・文化の中心であり、全国に対して指導的な地位を保っていた。明一代の盛衰は密に蘇州の盛衰につながる。従来の明代史の体系は首都北京を中心に記述されてきたが、...
中国の歴朝において売官の事例は枚挙に遑なく、その歴史上に有する意義も区々であるが、その中後漢書の霊帝紀には、光和元年初めて西邸を開いて官を売り、関内侯より虎賁・羽林にいたるまで銭を入れ各々差あり、西園...
明清間に、耶蘇会士の手で大量の西洋科学技術が輸入され、大きな影響を中国に与えた。輸入された分野はかなり多方面にわたったが、天文学と数学が中心であった。明末に『崇禎暦書』が完成され、これを基礎に、清初に...
個人情報保護のため削除部分あり唐代両税法と較べて現物納付の傾向が強い宋代両税法の科徴方法が、どのような過程を経て成立したのか、不明な点が多い。本稿では、まず唐代両税法における折納の中心課題が「両税銭」...
南宋高宗建炎元年春正月は科挙の省試を行うべき時期に当つていたが、靖康の難のため施行することが出来なかつた。同年十二月揚州の行在に駐蹕していた高宗は一つの詔を発し、本来礼部が主宰して都で行うべき省試を仮...
本稿は「開元・天宝期を中心とする唐代兵制の諸様相」と云う題の下にまとめられた論稿の一部で、略々その第一章の主要部分に相当する。筆者はここで、兵役の母体をなした一般担税戸口、即ち州県籍帳に編せられた「百...
個人情報保護のため削除部分あり一三六八年、元末の混乱を収拾して、朱元璋は明王朝を創設した。王朝樹立の原動力となったのは、朱元璋が基盤とした江南地方の地主層であった。彼らの人的・物的支持があればこそ、明...
個人情報保護のため削除部分あり/ 正誤表あり(57巻3号p.489)周礼に定められている施舎制度は、特別な人には力役を免除するものであるが、この恩典にあずかるものに賢者がある。この賢者は何かと言えば、...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、票擬のやり直し、改票の研究である。従来改票については、その事実だけが指摘され、具体的過程は明らかではなかったが、筆者は、京都大学文学部蔵『明邸鈔残本』を主要な史料...
宋代地方官の機密費を公使銭という。これを貯蔵しておく倉庫が公使庫である。公使銭は衙門の修理、その他地方政治の運営のために使用されるが、その主なる目的は外国使臣、通過官吏の接待、軍隊の犒賞にあった。とこ...
明末、京林党が弾圧によって壊滅してのち、生員層を中心に復車が設立された。復社は古学復興をスローガンに、八股文の評選機関として全国的な組織をもち、復古主義を当時の一の時代思潮たらしめるうえに大きい役割を...
十世紀から十三世紀に亘る宋時代における商業の発達という現象は、中国史の流れの中でも一際めだつものであり、いろいろな角度から綿密に考証されねばならぬ。それと密接に関連する、この時代の貨幣経済の発展につい...
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個人情報保護のため削除部分あり清代の官僚の肩書きには、頻繁に「加級」が現れる。これは、様々な褒賞の一つを形成していた。ただし、これは明代にはほとんど見出すことが出来ない。この制度は、清初から乾隆年間に...
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明清時代における蘇州は政治的首都ではないが、経済・文化の中心であり、全国に対して指導的な地位を保っていた。明一代の盛衰は密に蘇州の盛衰につながる。従来の明代史の体系は首都北京を中心に記述されてきたが、...
中国の歴朝において売官の事例は枚挙に遑なく、その歴史上に有する意義も区々であるが、その中後漢書の霊帝紀には、光和元年初めて西邸を開いて官を売り、関内侯より虎賁・羽林にいたるまで銭を入れ各々差あり、西園...
明清間に、耶蘇会士の手で大量の西洋科学技術が輸入され、大きな影響を中国に与えた。輸入された分野はかなり多方面にわたったが、天文学と数学が中心であった。明末に『崇禎暦書』が完成され、これを基礎に、清初に...
個人情報保護のため削除部分あり唐代両税法と較べて現物納付の傾向が強い宋代両税法の科徴方法が、どのような過程を経て成立したのか、不明な点が多い。本稿では、まず唐代両税法における折納の中心課題が「両税銭」...
南宋高宗建炎元年春正月は科挙の省試を行うべき時期に当つていたが、靖康の難のため施行することが出来なかつた。同年十二月揚州の行在に駐蹕していた高宗は一つの詔を発し、本来礼部が主宰して都で行うべき省試を仮...
本稿は「開元・天宝期を中心とする唐代兵制の諸様相」と云う題の下にまとめられた論稿の一部で、略々その第一章の主要部分に相当する。筆者はここで、兵役の母体をなした一般担税戸口、即ち州県籍帳に編せられた「百...