個人情報保護のため削除部分あり本稿は、票擬のやり直し、改票の研究である。従来改票については、その事実だけが指摘され、具体的過程は明らかではなかったが、筆者は、京都大学文学部蔵『明邸鈔残本』を主要な史料として、その解朔を試みる。本書は、内藤湖南等が一九一〇年、清国に派遣された際持ち帰ったもので、邸鈔とあるが、実際は、崇禎期の内閣大学士銭士升の批案・票擬の草稿集である。本書を分析した結果、一日の票擬件数、大学士間の票擬分担、改票の傾向、改票の根拠などが明らかになり、結論として、改票の政治的不安定さが示される。This article deals with the gai-piao 改票 system, the Grand Secretaries' remaking of recommendations into reports to the Emperor. This gai-piao system has been mentioned briefly before, but has not been studied carefully. I intend to clarify the gai-piao system by referring to new material -- the Ming Di-chao Can-ben 明邸鈔残本 or Remaining Scripts of the Gazette in the Ming Era. It was brought from China by NAITO Konan 内藤湖南 in 1910, and now is owned by the Faculty of Literature, Kyoto University....
明代の役法に関する研究は、かなり早くから行われているが、従来は里甲制をめぐる研究か多く、里甲の役以外の雑役についてはあまりとり上げられなかった。本稿は雑役に関する諸問題のうち、とくに均徭における銀差の...
個人情報保護のため削除部分あり北朝隋唐時代の政治史は、唐代においてはそのトーンを弱めるが、北魏の建国者であり且つ軍事力の担い手であった鮮卑族と最初その膝下に屈したが徐々に官僚として北魏政権に出仕してい...
十六世紀日本封建都市が発展する中にあって、寺内町の一群があつたことが知られている。ここではその成立において、住民の惣的結合を母胎とした富田林などの存在に注目し、その構造を分析した。かかる小都市の成立は...
宋代以後の近世中国社会においては、塩の専売収入は国家の財政面において最も重要な役割を演ずる。近世における独裁君主制もこの塩の専売収入によつて支えられていたといつても過言ではない。ところでこの塩の専売収...
明末、京林党が弾圧によって壊滅してのち、生員層を中心に復車が設立された。復社は古学復興をスローガンに、八股文の評選機関として全国的な組織をもち、復古主義を当時の一の時代思潮たらしめるうえに大きい役割を...
個人情報保護のため削除部分あり一八世紀中国では空前の規模の穀物備蓄が清朝により形成される。制度的には穀物相場の調整を中心機能としながら、移入地域でも穀物の消費・補填を現地で完結させる指向をもつものであ...
首都の附近に畿内という地域を劃することは、中国に創ってそれが我が国に及んで来たのである。中国の畿内制度は周礼に詐しく規定されているが、中国の中世において、初めてこの制度を実施したのは北魏の太祖道武布で...
個人情報保護のため削除部分あり清代の官僚の肩書きには、頻繁に「加級」が現れる。これは、様々な褒賞の一つを形成していた。ただし、これは明代にはほとんど見出すことが出来ない。この制度は、清初から乾隆年間に...
個人情報保護のため削除部分あり従来の武周革命についての研究は武周政権の社会的、階級的、地域約構成を巡って展開するものが殆どである。しかし、武周革命の際の中央官僚機構に生じた変化や、官僚機構の革命におけ...
個人情報保護のため削除部分あり一三六八年、元末の混乱を収拾して、朱元璋は明王朝を創設した。王朝樹立の原動力となったのは、朱元璋が基盤とした江南地方の地主層であった。彼らの人的・物的支持があればこそ、明...
個人情報保護のため削除部分あり本稿においては、明清時代の珠江デルタを対象として、特定の地域における宗族形成の実態を追求した。その結果明らかにされたのは、明代中期以降、郷紳等の階層が、その在世中に商業・...
明清間に、耶蘇会士の手で大量の西洋科学技術が輸入され、大きな影響を中国に与えた。輸入された分野はかなり多方面にわたったが、天文学と数学が中心であった。明末に『崇禎暦書』が完成され、これを基礎に、清初に...
本稿は「開元・天宝期を中心とする唐代兵制の諸様相」と云う題の下にまとめられた論稿の一部で、略々その第一章の主要部分に相当する。筆者はここで、兵役の母体をなした一般担税戸口、即ち州県籍帳に編せられた「百...
大化改新、律令制度を理解する一方途として、改新前地方支配組織の発展をとりあげる。中央機構で組織としての朝廷と伝統的首長としての皇室とが分立する結果、前者が後者を構成的に疎外する過程は、他方地方に対する...
個人情報保護のため削除部分あり/ 正誤表あり(57巻3号p.489)周礼に定められている施舎制度は、特別な人には力役を免除するものであるが、この恩典にあずかるものに賢者がある。この賢者は何かと言えば、...
明代の役法に関する研究は、かなり早くから行われているが、従来は里甲制をめぐる研究か多く、里甲の役以外の雑役についてはあまりとり上げられなかった。本稿は雑役に関する諸問題のうち、とくに均徭における銀差の...
個人情報保護のため削除部分あり北朝隋唐時代の政治史は、唐代においてはそのトーンを弱めるが、北魏の建国者であり且つ軍事力の担い手であった鮮卑族と最初その膝下に屈したが徐々に官僚として北魏政権に出仕してい...
十六世紀日本封建都市が発展する中にあって、寺内町の一群があつたことが知られている。ここではその成立において、住民の惣的結合を母胎とした富田林などの存在に注目し、その構造を分析した。かかる小都市の成立は...
宋代以後の近世中国社会においては、塩の専売収入は国家の財政面において最も重要な役割を演ずる。近世における独裁君主制もこの塩の専売収入によつて支えられていたといつても過言ではない。ところでこの塩の専売収...
明末、京林党が弾圧によって壊滅してのち、生員層を中心に復車が設立された。復社は古学復興をスローガンに、八股文の評選機関として全国的な組織をもち、復古主義を当時の一の時代思潮たらしめるうえに大きい役割を...
個人情報保護のため削除部分あり一八世紀中国では空前の規模の穀物備蓄が清朝により形成される。制度的には穀物相場の調整を中心機能としながら、移入地域でも穀物の消費・補填を現地で完結させる指向をもつものであ...
首都の附近に畿内という地域を劃することは、中国に創ってそれが我が国に及んで来たのである。中国の畿内制度は周礼に詐しく規定されているが、中国の中世において、初めてこの制度を実施したのは北魏の太祖道武布で...
個人情報保護のため削除部分あり清代の官僚の肩書きには、頻繁に「加級」が現れる。これは、様々な褒賞の一つを形成していた。ただし、これは明代にはほとんど見出すことが出来ない。この制度は、清初から乾隆年間に...
個人情報保護のため削除部分あり従来の武周革命についての研究は武周政権の社会的、階級的、地域約構成を巡って展開するものが殆どである。しかし、武周革命の際の中央官僚機構に生じた変化や、官僚機構の革命におけ...
個人情報保護のため削除部分あり一三六八年、元末の混乱を収拾して、朱元璋は明王朝を創設した。王朝樹立の原動力となったのは、朱元璋が基盤とした江南地方の地主層であった。彼らの人的・物的支持があればこそ、明...
個人情報保護のため削除部分あり本稿においては、明清時代の珠江デルタを対象として、特定の地域における宗族形成の実態を追求した。その結果明らかにされたのは、明代中期以降、郷紳等の階層が、その在世中に商業・...
明清間に、耶蘇会士の手で大量の西洋科学技術が輸入され、大きな影響を中国に与えた。輸入された分野はかなり多方面にわたったが、天文学と数学が中心であった。明末に『崇禎暦書』が完成され、これを基礎に、清初に...
本稿は「開元・天宝期を中心とする唐代兵制の諸様相」と云う題の下にまとめられた論稿の一部で、略々その第一章の主要部分に相当する。筆者はここで、兵役の母体をなした一般担税戸口、即ち州県籍帳に編せられた「百...
大化改新、律令制度を理解する一方途として、改新前地方支配組織の発展をとりあげる。中央機構で組織としての朝廷と伝統的首長としての皇室とが分立する結果、前者が後者を構成的に疎外する過程は、他方地方に対する...
個人情報保護のため削除部分あり/ 正誤表あり(57巻3号p.489)周礼に定められている施舎制度は、特別な人には力役を免除するものであるが、この恩典にあずかるものに賢者がある。この賢者は何かと言えば、...
明代の役法に関する研究は、かなり早くから行われているが、従来は里甲制をめぐる研究か多く、里甲の役以外の雑役についてはあまりとり上げられなかった。本稿は雑役に関する諸問題のうち、とくに均徭における銀差の...
個人情報保護のため削除部分あり北朝隋唐時代の政治史は、唐代においてはそのトーンを弱めるが、北魏の建国者であり且つ軍事力の担い手であった鮮卑族と最初その膝下に屈したが徐々に官僚として北魏政権に出仕してい...
十六世紀日本封建都市が発展する中にあって、寺内町の一群があつたことが知られている。ここではその成立において、住民の惣的結合を母胎とした富田林などの存在に注目し、その構造を分析した。かかる小都市の成立は...