最近、騎馬民族の征服によつて日本の國家が設立されたという説が學界をにぎわしたが、この説自身には問題の國家設立の時期決定について、整理されていない矛盾がある。考古學上から乘馬の風習を實證しりる遺物の上限を求めると、それは五世紀以前に遡ることがきわめて困難であり、その普及は五世紀後葉以後のことと考えられる。その傍證を書紀に求めると、こゝでも馬に關する記事は主に五世紀以後の記述にあらわれ、四世紀までの記事はほとんど疑わしいものである。しかも、五世紀代のわが國の馬具が南鮮のものと同一型式に屬しているように、ほゞ信ずるに足る馬に關する記事は、まず朝鮮との交渉を述べた文中に見出される。すなわち上代日本における乘馬の風習は當時の南鮮出兵を通じて、騎馬民族と直接間接に接触した結果、はじめてわが國にもたらされたものであり、その普及には相當の期間を要したのである。もちろん騎馬民族による日本の國家の設立はありえない。Recently the theory has been proposed, and much discussed, that the establishment of the ancient Japanese State was achieved through conquest by a horse-riding race, but this theory seems to contain a chronological difficulty with regard to the birth of the ancient Japanese State. From the archaeological point of view the upper chronological lim...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、戦国大名北畠氏の権力構造の中に、字陀郡内一揆を如何に構造的に組み込むか、という課題に答えようとするものである。戦国期の宇陀郡には、郡内一揆とその構成メンバーである...
奈良の言語研究者宮武正道は、従来マレー語の専門家と考えられていたが、残された旧蔵資料を見ると、彼がマレー語に至るまでに辿った「語学道楽」の跡が明らかになった。中学校時代、切手蒐集の延長として始めたエス...
京都府雲ノ宮遺跡は、山城で最古の弥生式遺跡である。私はこの遺跡の土器にせっして以来、畿内の前期弥生式土器を古・中・新の三段階に大別する考えをもつようになった。本稿では、雲ノ宮遺跡とその土器についてのべ...
近年、東北アジア各地から出土する馬具を一連の系統として理解する研究が盛んにおこなわれている。しかし、各地から出土する馬具の併行関係や年代観については未だ意見の一致をみていない。そこで本稿では、製作技術...
南北朝時代の研究は、社会の構造研究の深化によって急速の進展をみせたが、この時代の研究は史料の制約によって必ずしも満足しうべき成果を期待できない憾があった。本稿は筆者が太平記の綜合的研究の過程において、...
publisher奈良卵形、上部に口をあけ、胴の表に四つの小孔、裏に二つの小孔を穿った小さい土器がある。こうした土器に「陶隕」の名が与えられたのは極く最近のことである。平たく言えば土笛である。中国古代...
圖像是重要的歷史文獻,本文試圖透過圖像文獻和文本文獻對照,提供新的研究路徑。鹵簿制度具有禮儀意象,車駕形制無疑是鹵簿體系中重要的一環。從鹵簿在空間的行進隊伍來看,「車駕」是皇帝行幸隊形的視覺焦點,從車...
個人情報保護のため削除部分あり近世の大名諸家においては悪主・暴君を、家老・重臣たちが中心となって強制的に廃位せしめる主君「押込」の行為が存在していた。本行為は家臣の手になる主君廃立行為であり、近世の国...
漢代の画象石の機織圖は既知の三種に新出のものを加えて五種となつた。この機織圖に基き、その技術的解明を試みた。先奏や魏晋以降の機織法は具體的に知る史料がないが、我彌生式土器時代及古墳時代の機織法は幸い出...
個人情報保護のため削除部分あり畿内とは何かということを、従来の説にとらわれないような形で考察することをめざした。まず、賦役令の検討から、従来別個の労役であるといわれていた歳役と雇役が、実は同一のもので...
個人情報保護のため削除部分あり元老は慣例として形成され、後継首相推薦などの重要な国務について天皇の諮問を受ける役目を果たした。本稿は元老制度に関し、宮中関係者の手になる「徳大寺実則日記」などの史料を初...
近世以来日本西南部は長床犁使用の牛耕地帯としてよく知られているが、中国山系の牛生産地帯と畿内需要地帯との流通については必ずしも十分究明されていない。本稿は、牡牛取引によつて特徴づけられる河内古市郡駒ヶ...
本稿の課題は、幕末期長州藩における民衆動員と真宗との関係について究明することである。まず、欧米勢力の来航に対する海防に当たり、人々を国家に服従させ、進んで死に赴かせることを重視した村田清風は、そのため...
英文タイトル訂正済み(72巻5号p.819による)西周末期に行われた鄭の「封建」は、周王朝の封建制の実態を知る上で貴重な実例となるものである。しかし、この西周末期から王朝の東遷期にかけての時代は、同時...
高麗時代、官人・軍人には大小の領地(収租地) が分給されていたが、これらは官人戸・軍人戸の経営する自家の所耕田の上に設定される部分と、他の一般民戸の経営する所耕田の上に設定される部分との複合によって成...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、戦国大名北畠氏の権力構造の中に、字陀郡内一揆を如何に構造的に組み込むか、という課題に答えようとするものである。戦国期の宇陀郡には、郡内一揆とその構成メンバーである...
奈良の言語研究者宮武正道は、従来マレー語の専門家と考えられていたが、残された旧蔵資料を見ると、彼がマレー語に至るまでに辿った「語学道楽」の跡が明らかになった。中学校時代、切手蒐集の延長として始めたエス...
京都府雲ノ宮遺跡は、山城で最古の弥生式遺跡である。私はこの遺跡の土器にせっして以来、畿内の前期弥生式土器を古・中・新の三段階に大別する考えをもつようになった。本稿では、雲ノ宮遺跡とその土器についてのべ...
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奈良の言語研究者宮武正道は、従来マレー語の専門家と考えられていたが、残された旧蔵資料を見ると、彼がマレー語に至るまでに辿った「語学道楽」の跡が明らかになった。中学校時代、切手蒐集の延長として始めたエス...
京都府雲ノ宮遺跡は、山城で最古の弥生式遺跡である。私はこの遺跡の土器にせっして以来、畿内の前期弥生式土器を古・中・新の三段階に大別する考えをもつようになった。本稿では、雲ノ宮遺跡とその土器についてのべ...