マイクロビーム放射線細胞照射装置を利用した生物効果研究から以下の結果を得た。【結果1】X線、重イオンマイクロビームを一部の細胞のみに限定的(細胞核または細胞質への照射は区別していない)に照射を行った場合、ヒト正常細胞の細胞致死効果に対するバイスタンダー効果は、比較的LETの低いX線では誘導されなかった。また、逆にLETの高いイオンビームでも誘導されなかった。【結果2】重イオンマイクロビームのエネルギー付与トラック構造のシミュレーションの結果から、トラック中心からLETに依存して二次的な放射線の発生が増加し、イオンのトラックとそれに付随した二次放射線が細胞核と細胞質に照射されていることが判った。【結果3】10µm x 10µmに絞ったX線マイクロビームを細胞核のみに照射した場合、【結果1】で観察されなかったバイスタンダー効果が観察された。【結果4】1500µm x 700µmのX線ブロードビームを作成し細胞核と細胞質を同時に照射した場合、細胞核限定的照射の生存率に比べて有意に高くなることが判った。以上より、『細胞質に比較的低LETの電磁波放射線のエネルギー付与が起こった場合、細胞核に生じた放射線損傷を軽減する(放射線適応応答)。』という仮説を立てた。この仮説を検証するために、高エネルギー加速器研究機構放射光科学研究施設にある放射光X線マイクロビーム照射装置を駆使して、最初に細胞質にX線を10R照射し、3時間炭酸ガスインキュベーター内に保持した後細胞核のみにX線を10R照射した場合の細胞致死効果を細胞質への照射が無い場合と比較した。得られた結果は、細胞核のみに照射した時の生存率が79%であったのに対して予め細胞質にX線を照射した場合は96%に上昇し、掲げた仮説を支持する結果を得た...
近年、放射線のヒットを受けた細胞に隣接する非照射細胞にも、染色体異常や細胞死が誘発されるバイスタンダー効果と呼ばれる現象が報告されているが、細胞分裂そのものの周期性に与える影響は明らかにされて来なかっ...
放射線疫学では線量あたりの疾患発症リスク(リスク係数)に関心があることが多く、しばしば回帰モデルによる解析が行われる。室内ラドン曝露による肺がんリスクの上昇を示唆したDarbyらの研究では、疾病の発症...
近年、国内外の学校安全が脅かされ、死傷事件が後を絶たない。先例を教訓化して、同様な事件・事故の再発を防ぎ、被害を最小化するために、学校管理の強化、および死傷事件の際における緊急の組織対応のあり方の具体...
発達期の脳における、原爆や放射線治療による放射線被ばくでは、小頭症や認知機能低下などの神経系障害が起こることが知られている。発達期の脳では、未分化細胞である神経幹細胞が自己増殖した後に、ニューロンやグ...
宇宙放射線は異なった核種の様々なエネルギースペクトラムを持った放射線源であり、その生物影響を明らかにすることは宇宙空間に進出しようとしている人類にとって必要不可欠である。特に、大きな生物効果を持つとさ...
【目的】アンギオ装置は多くの病院で導入され検査や治療のため利用されている。患者への侵襲性が低く負担が少ないというメリットがあるが、術中に発生する散乱線によって医師や看護師など術者への職業被ばくが懸念さ...
マウス扁平上皮癌SCCVII、およびNR−S1は、γ線及び炭素線を用いたin vivo腫瘍増殖遅延アッセイにおいて、SCCVIIは放射線高感受性を示し、一方のNR-S1は放射線低感受性を示す。この違い...
中性子被ばく影響は原子力災害での放射線影響ばかりでなく、宇宙滞在における影響因子としてその影響が懸念される。実際に国際宇宙ステーション内では中性子線の健康影響の寄与は高いと考えられている。我々はこれま...
【目的】高LET放射線の生物効果に関して、同様のLET値のイオンビームであっても照射される核種が異なると、LET-RBE曲線の形が異なるという報告がされている。2003年の本学会において、炭素、ネオン...
尼雅遺跡学術調査は、1988以来9回に亘って日中共同で実施されてきた。その間に大きな発見や学術的研究成果を上げた。本論文では、現地調査でなければわからない尼雅川々床と尼雅遺跡との関連性に視点を当てて、...
着床前期の哺乳類胚は致死高感受性であるが照射による奇形は起こらず、致死線量以下なら正常に発生すると報告されている。本研究では着床前の哺乳類胚における放射線影響を解明するためのモデルとして胞胚期のメダカ...
近年、粒子線治療やIMRTなどの高精度放射線治療の普及により、がん患者に対する放射線治療の局所制御は目覚ましい向上を見せている。しかし、がん患者の予後により密接に関わる遠隔転移に関して、その制御が十分...
放射線適応応答(AR)誘導に不可欠な条件の研究は、リスク推定に対して重要な科学的根拠を供給するとともに、生物学的防御機構に対する重要な洞察を提供し、実際に応用可能な新しい放射線療法をもたらす。したがっ...
100mSv以下の低線量域では、放射線被ばくの遺伝的影響の有無について、十分に説得力のあるデータは得られていない。ヒト集団においては、低線量放射線の遺伝的影響について、相反する結果が報告されている。す...
【目的】がんの放射線治療や診断等の医学利用での被曝、宇宙空間環境における飛行体での被曝等で問題となる放射線環境では、様々な種類の放射線の低線量(率)・低フルエンス照射の生物影響が想定され、直接照射効果...
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