コンピテンス重視の大学教育を推進する先駆的な取組である「チューニング(Tuning)」と経済協力開発機構(OECD)による「高等教育における学習成果調査(AHELO)」に注目し,グローバル化時代における大学教育の質保証に関する理解を深めることを目指すシンポジウム「TUNING-AHELO コンピテンス枠組の共有と水準規定によるグローバル質保証」を平成25 年12月に開催した。第1部では,まず基調講演が行われ,文部科学省顧問の木村孟先生より,過去30年間に渡る大学改革の流れと,大学評価の課題を俯瞰するお話をいただいた。その後3名の講師に御講演いただき,オランダのローベルト・ワーヘナール先生(フローニンゲン大学)からは,「TUNINGコンピテンス枠組:教育改革と学習のグローバルな測定・比較に向けて」についてお話しいただき,コンピテンス枠組みに基づく学位プログラムを構築するチューニングの具体的な方法について,最新の情報を御紹介いただいた。アメリカのピーター・ユーウェル先生(全米高等教育経営システム研究所)には,「AHELO フィージビリティ・スタディ:調査結果と技術諮問グループ(TAG)の結論」というテーマで,AHELOの全体像を御紹介いただくとともに,その結果と課題,さらにはこの調査の今後の行方についてお話しいただいた。また,東京工業大学の岸本喜久雄先生からは,日本におけるAHELOの取組と今後の展望についてお話をいただいた。第2部のパネルディスカッションでは,初めに国立教育政策研究所高等教育研究部の深堀聰子総括研究官が「大学の教育改善に資する情報提供にむけて-日本・豪州・カナダにおけるAHELOフィージビリティ・スタディの取組」についての報告を行った。続いて, 筑波大学の金子元...