本稿は、近世前・中期京都における支配―被支配の関係をつなぐ存在としての年寄と町代の間で矛盾を生むような「緊張関係」を、[京都町奉行所―惣町―町組―個別町]の回路上で展開する都市行政の中で検討したものである。まず、近世初期における下京町代の系譜を分析し、上京と異なり、下京では町代がまずの枠組みで設定され、後にとの間の関係が形成されていったことを指摘した。次に、町代(仲間) が取り次ぐ、京都町奉行所と都市住人との間の行政支配を検討し、[京都町奉行所―与力―町代―個別町(町年寄―町住人) ]という回路を通じて行政処理がなされていたことを明らかにした。最後に、この行政上の回路と、「先座之年寄」を核とする自律的な組織の運営との関係を分析し、京都町奉行所行政において志向される構造の中で、の位置づけが桎梏となり、年寄と町代の間の「緊張関係」を生じさせたことを指摘した。In this study I analyze the relationship between the toshiyori, literally elders, and chodai, town or neighborhood representatives, which were two types of officials in Kyoto during the early modern era. The administration of Kyoto, which was divided into six general districts, socho, e.g. Kamigyo and Shimogyo, was conducted in the early modern era by the government...
個人情報保護のため削除部分あり訂正あり(64巻3号p.458)西原借款で有名な西原亀三は日記とぼう大な文書を残している。本稿はその研究の一部で、大隈内閣末期を論じた別稿に続くものである。期間は寺内内閣...
個人情報保護のため削除部分あり九〜十六世紀の都市大山崎を舞台に、都市の性格と寺院のあり方のかかわりを追究する。国家管理の諸施設が建ちならぶ十世紀までの大山崎の寺院は、国家鎮護の性格を強くもち、イデオロ...
個人情報保護のため削除部分あり畿内とは何かということを、従来の説にとらわれないような形で考察することをめざした。まず、賦役令の検討から、従来別個の労役であるといわれていた歳役と雇役が、実は同一のもので...
本稿の課題は、幕末期長州藩における民衆動員と真宗との関係について究明することである。まず、欧米勢力の来航に対する海防に当たり、人々を国家に服従させ、進んで死に赴かせることを重視した村田清風は、そのため...
京都府雲ノ宮遺跡は、山城で最古の弥生式遺跡である。私はこの遺跡の土器にせっして以来、畿内の前期弥生式土器を古・中・新の三段階に大別する考えをもつようになった。本稿では、雲ノ宮遺跡とその土器についてのべ...
個人情報保護のため削除部分あり近世の幕藩領主権力が負った課題は、前代の私的領域・私的権力のより上級権力への包摂及び人民の「心」の直接的掌握にあり、両者を克服するため幕藩権力は「学文」修得が不可避となっ...
恩賞充行政策は、将軍の主従制的支配権の根幹で、かつ、南北朝初期室町幕府の最も重要な政策課題であり、恩賞充行の将軍下文には、執事施行状が付されて恩賞の実現に大いに貢献した。本稿では、執事施行状の発給機関...
個人情報保護のため削除部分あり元老は慣例として形成され、後継首相推薦などの重要な国務について天皇の諮問を受ける役目を果たした。本稿は元老制度に関し、宮中関係者の手になる「徳大寺実則日記」などの史料を初...
寛永期 (一六二四-四四) の畿内幕領における農民支配は、二つの面からおこなわれた。その一は、夫役の徴収であつて、家と労働力を有する農民の殆ど全部が、幕府のもとに役家として編成された。その二は、貢租収...
本稿では、近世中後期の上方における幕府機構の枠組みを明らかにするとともに、京都・大坂町奉行の位置や役割について検討した。(1)所司代は地域支配・朝廷統制・二条城守衛、大坂城代は地域支配・大坂城守衛の各...
個人情報保護のため削除部分あり訂正あり(57巻5号p.772)京都の上層町衆・伊藤仁斎(一六二七-一七〇五) は、朱子学を揚棄して、独自の思想体系である古義学(仁斎学) を形成した。その思想の原像を、...
平安前期、十世紀中葉にいたって東国の地に反乱が起る。平将門によるものがそれである。この乱がその後の政治過程に与えた影響は決定的とも思われ、「律令国家」の崩壊、武士の発生などの観点から、いままでも分析が...
近世初期の寺院政策については辻善之助氏以来の幕府権力による統制を重視する研究史がある。それに対して杣田善雄氏は寺院側の働きかけを前提とした対応であるとして一方的な統制という理解を否定するとともに、寺院...
個人情報保護のため削除部分あり中世の土師器は出土量の多さや特異な廃棄から非日常的な儀器とする見解が出され、一五~一六世紀に全国各地で出現する京都系土師器も、その延長で武家儀礼の器とみられてきた。これは...
一八世紀半ば以降、山陰地方の浄土真宗優勢地帯では、真宗門徒が小寄講を結成し僧侶を招いて法談を聴聞する活動が活発となる。この法談の場を通じて、僧侶たちは門徒に対し浄土真宗の神祇不帰依の宗風を遵守するよう...
個人情報保護のため削除部分あり訂正あり(64巻3号p.458)西原借款で有名な西原亀三は日記とぼう大な文書を残している。本稿はその研究の一部で、大隈内閣末期を論じた別稿に続くものである。期間は寺内内閣...
個人情報保護のため削除部分あり九〜十六世紀の都市大山崎を舞台に、都市の性格と寺院のあり方のかかわりを追究する。国家管理の諸施設が建ちならぶ十世紀までの大山崎の寺院は、国家鎮護の性格を強くもち、イデオロ...
個人情報保護のため削除部分あり畿内とは何かということを、従来の説にとらわれないような形で考察することをめざした。まず、賦役令の検討から、従来別個の労役であるといわれていた歳役と雇役が、実は同一のもので...
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京都府雲ノ宮遺跡は、山城で最古の弥生式遺跡である。私はこの遺跡の土器にせっして以来、畿内の前期弥生式土器を古・中・新の三段階に大別する考えをもつようになった。本稿では、雲ノ宮遺跡とその土器についてのべ...
個人情報保護のため削除部分あり近世の幕藩領主権力が負った課題は、前代の私的領域・私的権力のより上級権力への包摂及び人民の「心」の直接的掌握にあり、両者を克服するため幕藩権力は「学文」修得が不可避となっ...
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平安前期、十世紀中葉にいたって東国の地に反乱が起る。平将門によるものがそれである。この乱がその後の政治過程に与えた影響は決定的とも思われ、「律令国家」の崩壊、武士の発生などの観点から、いままでも分析が...
近世初期の寺院政策については辻善之助氏以来の幕府権力による統制を重視する研究史がある。それに対して杣田善雄氏は寺院側の働きかけを前提とした対応であるとして一方的な統制という理解を否定するとともに、寺院...
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一八世紀半ば以降、山陰地方の浄土真宗優勢地帯では、真宗門徒が小寄講を結成し僧侶を招いて法談を聴聞する活動が活発となる。この法談の場を通じて、僧侶たちは門徒に対し浄土真宗の神祇不帰依の宗風を遵守するよう...
個人情報保護のため削除部分あり訂正あり(64巻3号p.458)西原借款で有名な西原亀三は日記とぼう大な文書を残している。本稿はその研究の一部で、大隈内閣末期を論じた別稿に続くものである。期間は寺内内閣...
個人情報保護のため削除部分あり九〜十六世紀の都市大山崎を舞台に、都市の性格と寺院のあり方のかかわりを追究する。国家管理の諸施設が建ちならぶ十世紀までの大山崎の寺院は、国家鎮護の性格を強くもち、イデオロ...
個人情報保護のため削除部分あり畿内とは何かということを、従来の説にとらわれないような形で考察することをめざした。まず、賦役令の検討から、従来別個の労役であるといわれていた歳役と雇役が、実は同一のもので...