平成22年度第18回学生会講演会 : 電子情報通信学会九州支部 : 平成22年9月24日(金) : 福岡工業大学進化論的計算とは,選択,交叉,突然変異などの生物の進化をモデルとした演算を繰り返すことで目的関数の最適解を探索する手法である.代表的な進化論的計算アルゴリズムに遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)1; 2) や差分進化3) がある.この進化論的計算の評価関数による適応度をユーザの主観的評価によって与えるものが対話型進化論的計算(IEC)である(Fig. 1).IECでは人間が評価を繰り返し行う必要があり,評価を繰り返すことによるユーザの疲労が問題としてあげられる.通常の進化論的計算では個体数,世代数が多い条件で探索を行うこともあるが,IECでは10~20程度の少個体数で10~20世代程度の早期段階での収束が求められる.そこで,ユーザの疲労を軽減するため,IECインターフェースの改善,より高性能な新しい進化 論的計算の発案,解への収束を早める高速化手法の導入など様々な取り組みが行われている.IECインターフェースの改善としてトーナメント方式対話型GAがある4; 5) .この手法は,個体全体でトーナメントを行うことで順位をつける.対比較で評価を行うため,ユーザの疲労を軽減することができるが,全個体を同時に提示して評価する通常の対話型GAに比べ情報量が減ってしまい,収束速度が低下してしまう可能性がある.また,進化論的計算部に色々なアルゴリズムを適用したIECも提案されている.対話型差分進化(対話型DE)6; 7; 8) もその1つである.さらに差分進化にはアルゴリズム内に対比較が含まれるので,この点を積極的に用いる対比較ベースの対話型DE10;...