現在,不妊治療を受けている人は,1年に推計28万5000人といわれている.不妊治療は,この20年間の間にめざましい進歩を遂げている.しかし様々な新技術の影で,多くの葛藤も生まれている.葛藤の背景には,「結婚したら子供を生むのは当然」という潜在的な意識や,治療を辞めたら後悔するという不安,また最近は妊娠を望む女性の年齢が高くなり,年齢的限界によるものなどがある.一方,不妊に悩む人,不妊の問題を抱えた人のためのソーシャルサポートの一環として,産婦人科医や看護師などでつくる「日本不妊カウンセリング学会」が2002年秋に設立された.国も2004年までに各都道府県に「不妊専門相談センター」を1ケ所設置する予定で,2003年4月現在で28ケ所設置された(九州では佐賀県の中部保健所と大分県の大分県立病院内に設置されている).また国は「我が国における今後の不妊カウンセリングのあり方」の中でカウンセラーの他に「生殖医療コーディネーター」「不妊看護認定看護師」「遺伝カウンセラー」の役割を掲げ,生まれてくる子どもを養育するための社会的安定度などを調査する上でソーシャルワーク的かかわりが必須だとし,社会福祉士や精神保健福祉士にも期待を寄せている.本稿では,不妊治療に伴う心理的葛藤とその背景,さらにはソーシャルワークの立場から,不妊をどう支えていけるか等について,症例を通して検討を行い若干の考察を加えた
遺伝子解析技術の進展により,様々な疾患に対して遺伝情報を利用して診断できる時代がやってきた.遺伝学的検査への人々の関心や期待も高まっているが,遺伝子診療部の外来に訪れる来談者の遺伝学への理解や知識の...
わずか40年ほどの間に、世界のどの国よりも速いスピードで高齢化を迎えたわが国では、老齢人口が総人口の約13%を占めるに至っている。この急速な高齢化の波に対し敏速に対応した施策や整備が望まれるが、実際に...
埼玉県越谷市精神保健福祉法の成立によって政策用語として公認された「精神保健福祉」は、保健、医療、福祉領域のみならず広く社会に浸透したが、筆者は精神保健福祉という用語のわが国における受容の過程を検証し、...
本稿では主として大学における社会福祉教育とそのもとでの社会福祉専門職教育とともにその中核をなすソーシャルワーク教育の相互関係を福祉臨床論の視点から取り上げる。とくにわが国の大学教育としての社会福祉教育...
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本稿では主として大学における社会福祉教育とそのもとでの社会福祉専門職教育とともにその中核をなすソーシャルワーク教育の相互関係を福祉臨床論の視点から取り上げる。とくにわが国の大学教育としての社会福祉教育...
本稿では主として大学における社会福祉教育とそのもとでの社会福祉専門職教育とともにその中核をなすソーシャルワーク教育の相互関係を福祉臨床論の視点から取り上げる。とくにわが国の大学教育としての社会福祉教育...
本研究は,自己効力感とソーシャル・サポートが入院状況における治癒志向行動(患者・看護師評定)とストレス反応にどのような影響を及ぼすかについて入院患者を対象とした質問紙調査に基づき検討したものである.調...
人と環境の接点に生じる生活問題の解決をめざしてきたソーシャルワークの視点から、介護保険制度下における「困難ケース」について分析し、その対応に必要な視点や条件を検討した。欧米の先行実践からは、1) 体系...
本研究は,自己効力感とソーシャル・サポートが入院状況における治癒志向行動(患者・看護師評定)とストレス反応にどのような影響を及ぼすかについて入院患者を対象とした質問紙調査に基づき検討したものである.調...
近年の階層帰属意識についての研究では,客観的社会状況とその主観的認識とのズレを問題にする観点から,階層帰属意識の規定要因について,それを地域的要因によって説明しようという試みがみられる.このような関心...
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