publisher奈良『太平記評判秘伝理尽鈔』の諸本の調査の過程で、目録類に『理尽鈔』の一伝本として載る群馬大学附属図書館新田文庫蔵『太平記評判秘伝鈔』は、『理尽鈔』とは異なる太平記評判書の一種であることが判明した。また九州大学附属図書館蔵『楠公兵法』もこれと同一内容であったので、両伝本についての基礎的な解説を施し、後者を底本にして、楠正成(評判書の世界で最も多く扱われる重要人物)の登場と討死を評した巻三・巻十六を翻刻した。この書は評・伝において『理尽鈔』に重なる所があり『理尽鈔』と全く無関係というわけではないが、『理尽鈔』に見えない独自の異伝もあり、また正成に対する評にも『理尽鈔』とは異質な面がみられ、太平記評判書の生成・享受を探る上で重要な資料と言える
学習院大学哲学科は、奈良絵本『一本菊』一冊を所蔵している。本書は、物語本文を照らし合わせると、物語の三分の二ほどを欠いているため、三冊本の下巻にあたると考えられる。挿絵は全八図ある。天地に薄い水色、白...
publisher奈良戒重氏は、大和国城上郡戒重(桜井市)の在地武士と考えられ、南北朝時代初頭より記録のうえにみられる。もと東大寺領長田庄・他田庄の庄官であったようで、同寺衆徒でもあったとみなれる。こ...
現在、東京大学文学部宗教学研究室には、戦後宗勢調査資料等、日本宗教史及び日本宗教学史上、重要な基礎資料が幾つか保管されている。それに並ぶ宗教学研究室の貴重な保管史料として、ここに紹介する旧東京帝国大学...
publisher奈良尾張藩士稲葉通邦が、親友神村忠貞所蔵の宝徳年間奥書を有する古写本『太平記』三十九巻(巻二十二は欠)の書写かつ校正を了えたのは安永十年(一七八一)二月のことであった。この通邦書写本...
publisher奈良『太平記』のような長編の作品の場合、内容を要約したダイジェスト版が想定されるのだが、従来紹介されている資料は古態本を底本にした『太平記抜書』だけであった。ここに粗述する西尾市岩瀬...
publisher奈良『太平記』諸本には全巻に亘ってではないが、いくつかの巻に限って極めて独自な記事を有する伝本がある。そうした独自記事の生じた背景には、少なくともそれらをも取り込んで『太平記』を形成...
publisher奈良島津家本『太平記』は、江戸前期の『参考太平記』で異本校合の対象となった写本で、また巻一を中心とした特異な詞章が注目され『太平記抜書』の類も作成された。が以後、長く所在不明でその全...
publisher奈良『太平記』注解の補訂・追考として、日吉神社に関連する、以下の四件について述べた。まず建武三年正月、足利尊氏との京合戦に敗れた後醍醐天皇が、叡山に臨幸した際に応対した権禰宜行親、お...
publisher奈良小稿の趣旨は前稿(「日吉社をめぐる断章二、三1『太平記』注解補考(一)ー」、本誌二八号、二〇〇〇年三月)に同じく注解の補訂で、巻十五「賀茂神主改補の事」をめぐる二、三の問題につい...
publisher奈良記紀万葉等の最古の文献に遺る、漢語およびごく一部の半島出自と見られる語以外の言葉は、総じて一般にヤマトコトバ(和語)と呼ばれている。それらに、平安初期のかな資料等も含めて、判る限...
publisher奈良内閣文庫所蔵の『軍記抜書九種』は『保元物語』『平治物語』『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』『明徳記』『応仁記』の抜書であるが、これらは江戸時代の故実家伊勢貞丈が『五武器談』『武...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
本稿では英国最古の叙事詩『ベーオウルフ』に登場する寵臣アッシュヘレと、『太平記』巻第三十二が描く渡邊綱の話における話型の類似性を検証する。アッシュヘレは妖怪グレンデルの母女怪に連れ去られ、殺害される。...
publisher奈良本稿は、三大寺家旧蔵「高野大師行状絵」について、先に発表した二編の論考の続編である。前稿では、三大寺家旧蔵本および本来はこれと一具の絵巻であったボストン美術館本を一括してA本と称...
本稿では、『万代大雑書古今大成』(読み:ばんだいおおざっしょここんたいせい)の翻刻の一部を掲げる。『万代大雑書古今大成』は天保年間に発行され、明治に入り改訂版が刊行された。内容は、生活するうえで必要な...
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