Required Nursing Competencies for New Baccalaureate Nursing Graduates : An Analysis of Interview Data from Nurse Educators.

目的：本研究は，新卒看護師の育成経験のある看護師への面接調査をもとに，新卒看護師の臨床看護実践 能力を明らかにすることを目的とした。 方法：半構造化面接調査による質的帰納的記述研究である。調査対象は，関東地域の300床以上の病院の 成人病棟に常勤の看護師として勤務し，新卒看護師育成経験のある臨床経験５年以内の，自由な意思により 面接に応じた看護師とした。面接は，①新卒看護師に身につけてきてほしい能力，②臨床で身につけてほし い能力，③新人看護師に困ったことについて尋ねた。分析は，逐語録を繰り返し読み，新卒看護師の臨床実 践能力を抽出し，サブカテゴリー，カテゴリーへと抽象化を行った。 結果：調査対象者の年齢は30歳未満，男性４人を含む合計17人であった。看護基礎教育歴は，看護専門学 校卒２名，看護短大卒１名，看護系大学卒14名であった。分析の結果，臨床看護実践能力・資質として58の サブカテゴリーが抽出され，【看護へのコミットメント力】【コミュニケーション力】【基盤となる専門基礎 科目の知識力】【臨床アセスメント能力】【看護技術力】【看護業務遂行力】【自己研鑽力】【セルフマネジメント力】【リスクマネジメント力】および【専門職者間連携による看護実践力】の10の能力にまとめられた。 考察：新卒看護師を育成した経験のある看護師が新卒看護師に求める臨床看護実践能力は新卒看護師が必要とした臨床看護実践能力と内容的には対応していた。しかし，それぞれが必要とする，あるいは期待する能力の内容には客観性や具体性に違いがあり，認識の相違が窺えた。特にリスクマネジメント力は，新卒看護師を育成した経験のある看護師の新卒看護師への期待内容にマネジメント意識の差異がみられ，看護系大学の教育者および新卒看護師教育担当者への示唆が与えられた