《厚生の平等》論に代替する《資源の平等》論を提唱したロナルド・ドウォーキンの《責任と補償》理論は,厚生経済学に新たな非厚生主義的基礎を据えようとする最近の潮流のなかにあって,興味深いパラダイムを形成しつつある.ドウォーキンの示唆を,現代のミクロ経済学と公理主義的交渉理論の分析的枠組みを用いて厳密に定式化してその整合性の検討や公理的特徴付けを行う作業はジョン・ローマーやマーク・フローベイたちによって開始されたが,ドウォーキンの《責任と補償》のパラダイムが厚生経済学に対してもつ意義は,依然として汲み尽くされていない.本稿は,厚生経済学のこの新たな潮流を簡潔に展望して現状を評価するとともに,今後の一層の研究によって明らかにされるべき問題を示唆することに充てられている.また,ドウォーキンの《責任と補償》のパラダイムの広い射程距離を例示する目的で,地球温暖化問題の厚生経済学の骨格を説明している.Beginning with Ronald Dworkin's seminal work on the equality of resources rather than equality of welfare, a new paradigm in welfare economics is emerging. This new paradigm is non-welfaristic in nature in that the social judgements on goodness of resource allocations are based on more information than individual welfare alone, where the crucial role...
センの「正義への状態比較アプローチ」には,一方で,「厚生主義」の語に集約される,従来の経済学モデルの方法的革新の契機が含まれ,他方で,ロールズの政治的リベラリズムにおける平等思想の射程を拡張するヒント...
第二次大戦後、経済成長と社会福祉・社会保障を相互補完的に調整しつつ推進する福祉国家における、産業の諸関係(Industrial Relations)の学際的な研究(産業・経営・労働の社会学を含む)が進...
本研究は、生徒に公共性を個人の判断や意思決定を上から制限するものと捉えさせるのではなく、国民自身が作り出し下から権力に対して突きつける社会の原則として捉えなおさせる社会科公民の授業開発を目指したもので...
【新】厚生経済学とアローの社会的選択論を継承する現代経済学は,経済システムや経済政策の成果を評価する際に,その帰結から得られる効用のみに注目する立場に依拠している.センはこの伝統を脱却して,いくつかの...
新自由主義の自助努力重視の路線に対して、社会福祉拡充の根拠を探ってみたい。社会福祉の意義としては、第1に、最低生活を維持する権利を保障するための制度という点、第2に、階級対立を緩和しようとした国による...
年金制度の改革のように現時点で重複して共存する世代間の負担の衡平性の問題から,地球温暖化に対処する国際的な制度設計と合意形成のように長期にわたり国境さえ越えて将来世代に影響をおよぼす環境的外部性の問題...
19世紀の後半に誕生し,20世紀の幕開けと共に興隆した優生学は,当時のイギリスの政治的思考において支配的であった国民的効率を追求したものと看做すことができる.当時の多くの優生学者らは,寛容な政府による...
P(論文)本稿では、社会福祉施設の仕事の特性を明らかにするため調査を行った。対象は、広島県内の社会福祉施設の施設長で、客観的に施設内の状況を記述してもらう方法を採用した。配布数は688であり、回収数は...
本稿は,マーシャルにおける経済進歩と福祉,人の成長の問題を扱うことによって,創設期の厚生経済学と福祉国家の一つの側面を明らかにしようとする.ピグーに代表される厚生経済学の創設期は,イギリス福祉国家の形...
1.はじめに 2.社会学・社会心理学におけるスティグマの研究 3.生活保護のスティグマの研究 4.経済学における実験を用いた研究 5.今後の課題とまとめ生活保護のような公的扶助の受給者は,あたかも他の...
本稿は,厚生経済学の源流の有り様を創設期に遡って解明しようとする.ピグーの『厚生経済学』は,功利主義・経済厚生主義に基づく「新」「旧」厚生経済学の歴史の原点・源流になった.しかし,厚生経済学の創設期は...
[[abstract]] 隨著社會的不斷進步,為了解決各種社會問題的而發展出來的社會福利制度成了各先進國家的重要社會政策。瑞典的社會福利制度是目前堪稱世界上最完善的,從第一次世界大戰前開始,以當時德...
「個人」と「社会」に分解された近代社会において、その両者を「個人のニーズ」充足を介して「社会のゴールに奉仕する」ものとして出発した社会福祉的統合が今日どのように限界をもつに至っているかを明らかにする。...
「福祉国家」政策を巡る近年の論争の背景には,伝統的な厚生経済学が立脚する厚生主義とそれを乗り超える規範的価値を持ち込む非厚生主義との間の規範理論の対立を読み込むことが可能である.本稿は,伝統的な厚生主...
現在,政府が推し進める構造改革のうち,社会福祉分野で議論されている社会福祉法人制度をめぐる問題は,福祉サービスを取り巻く状況と密接に関連している.本来社会福祉法人は,行政が行うべき任務を委託される形で...
センの「正義への状態比較アプローチ」には,一方で,「厚生主義」の語に集約される,従来の経済学モデルの方法的革新の契機が含まれ,他方で,ロールズの政治的リベラリズムにおける平等思想の射程を拡張するヒント...
第二次大戦後、経済成長と社会福祉・社会保障を相互補完的に調整しつつ推進する福祉国家における、産業の諸関係(Industrial Relations)の学際的な研究(産業・経営・労働の社会学を含む)が進...
本研究は、生徒に公共性を個人の判断や意思決定を上から制限するものと捉えさせるのではなく、国民自身が作り出し下から権力に対して突きつける社会の原則として捉えなおさせる社会科公民の授業開発を目指したもので...
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