Art Education as a Structurization of Beauty (II)

美的教育論ないしは芸術教育論と呼ばれるイデアルな構想をも内包しようとする筆者における「美術教育学」は、第1報においてひとつの主題を提示することから始められている。すなわち、美的感性や芸術的作用の教育における決定的な意味を喧伝する思想は、「近代公教育制度」に対していかなる基本的関係を示しているのか、それは、不断に、かかる機構的教育体制の中に定位すべきものとして、主体的な理念性として機能するであろう。そのとき、理念としての美的ないし美術教育論は「美術科教育」として顕現しつつ、明らかに問題の多い偏差を示すことになる、と考えるのである。ここでは、その偏差を生ぜしめる公教育の機構的性格の中に、いわば組織化作用と呼ぶべきものを認め、それの美的世界への関わりを考察する。問題となるのは、現実の美的世界が具体的な芸術空間を形造り、一定の美的ないし芸術的ヒエラルキーを構成していることであり、ために特定の関係の下に教育空間が位置づけられるということである。(本報)この局面における教育的作用は、教育における美的世界の組織化としていわば美の遺産化を機能するであろう。またこの遺産化の問題もさることながら、かかる公教育における美の組織化を例えばブルーナーに見られるように意識的に「構造化」とする事態を考えるなら、更にそれは美の構造化となり、確実に文明形成の一環としての由々しき社会的営為を結果するに違いあるまい。それは、制度化と共に心的内面化へと「美」がおのずから機能する文化現象のいわば現代的様相にすぎないのか、問題は続いていくであろう。My first step for a conception of "Art Pedagogics", was started with the previous thesis; that is, the theory of art education functions as an ideality through being an existence in modern system of public education. And just then, the ideality might assume some different aspects. In Chapter IV, I point out the function of systematization in public education as the reason of these different aspects, and inquire its relation with the esthetic world. At that time, we have to consider that the actual esthetic world is constituted as the peculiar esthetic hierarchy which is formed by actual artists. According to the hierarchy, art education might be situated in a peculiar position