Some Aspects of Beauty in Kaisho-Writing appreciated through Imitating Classical Patterns

学書の初歩において用筆法と結体法とどちらに重点をおくべきか。人によって意見は違うであろうが……。用筆法とは文字を書く時の筆の扱い方、即ち筆鋒はどのように働くかを示したもので、それぞれの点画はどんな筆使いによって表現されるかということである。その点画が組合わされてできたものは結体法である。立派な家はそれを組立てる柱等の諸材料が選択されなければならない。と同様に優れた書は完全無欠の点画によって作り出されるものである。丹羽海鶴氏は「書に闇き者は徒らに間架結構を以て書なりとす。夫れ間架結構は固より字をなす所以なり。而も未だ以て書を成す所以のものとなすべからず。書の書たる所以のものは、実に用筆の上に在りて存せり。用筆とは何ぞや。筆鋒の使運によりて生ずる所の書の性情即ち是なり」(楷書階梯)と。用筆の重要さと共に用筆の結構に先行すべきことを述べている。更に学書の順序はどうあるべきかを古人の論を引用して話を進めることにする。米庵墨談巻一によると、「家翁ノ筆記中コレヲ論シテ云、必是学書入門ノ序次譬如小児慣立而行、慣行而走ト、余亦此論ニ従ヘリ。唐ノ張敬玄ノ論書ニ、学書先学真書此不失節也。若不学真書便学縦体為宗主後却学真体難成矣ト。蘇東坡論書ニ、書法備於正書溢而為行草未能正書而遽学行草猶未能荘語而輙放言無是道也ト。一中略一明ノ豊道生ノ学書法ニモ八才ヨリ十六才ニ至マデ、大楷中楷小楷ヲ学ビ、其後廿五才マデニ行草篆隷ヲ交ヘテ学ベシトアリ。サスレバ楷書ヲバ最久シク学コトナリ。-後略-上述の如く中共はもち論我が国に於いても、古今を問わず、楷書は行草書に先行して学び、楷書は最も久しく学ばれなければならないと説き、楷書の重要性が理解されるのである。そこでここでは楷書に限って考究することにしたい。A line is more important than a form in Sho-writing. A line including complex elements like character or flavor can represent various feelings. Such lines have to be learned with good understanding the relation between the expression of the line and the feeling in Kaisho. In the Kaisho classics all the lines can be classified into three groups by line-writing, which are so-called En-hitsu, Ho-hitsu and the mixed one. The practical line-writings mentioned above are presented graphycally by examples selected from the six representative classics, and also in consistence with the explanations which have been done on them since old times