古筆切として伝残された仏教歌謡資料の伝称筆者としてもっとも著名な人物は法守法親王である。法守法親王は鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて仁和寺に住した門跡で、能筆で有名な伏見天皇の孫、同じく後伏見天皇の息にあたる。従来、伝法守法親王筆の古筆切資料は『古筆切提要』で掲出された九点があり、その後、他に数点の存在が個別に指摘されたに過ぎない。本稿では法守法親王を伝称筆者とする古筆切資料を博捜し、合計二十一点を紹介するとともに、各切を分析検討して、四種十九点の仏教歌謡資料とその他二点に分類整理した。Housyu-houshinnou is the famous person as a penman who copied buddist songs.He was the chief priest of Ninnaji from the end of the Kamakura era to the Nanbokucho era.Both of his father,the Emperor Gohushimi,and his grandfather,the Emperor Hushimi,were famous for their skillful hands.“kohitsugire Teiyo”says that 9 pieces of paper,Kohitsugire,which were copied by Houshu-houshinnou have been found.Besides it is said that his several other pieces of paper have been found.In this report I researched his...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
江戸期に刊行された道歌集のうち、堀原甫の編になる『念仏道歌西之台』(天保一二年〈一八四一〉刊・めとぎ屋幸助版)と題される一本が存在する。この書は仏教信仰のうち、浄土教信仰の理念に基づいた一二〇首(凡例...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の〝おもちゃ絵〞の歌謡資料である『新板小供うたづくし』を影印と翻刻によって紹介し、当該資料の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時...
近世(江戸時代)民謡の最大の特徴は、その教訓的内容にあると言ってよい。それらのうちの多くは、児童向けに親への孝を説いた歌謡で占められる。このような内容の歌は一般的には儒教的道徳によるものと受け取られる...
本稿の目的は、黒澤隆朝・小川一朗編『標準師範学校音楽教科書』(1938)の歌曲を概観することによって、国定師範学校教科書が発行される直後の検定済教科書における歌曲の特徴と傾向を明らかにすることである。...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習...
倭建命が東征の帰路に尾津前のーつ松の許で詠んだ歌「尾張に 直に向へる 尾津崎なる 一つ松 ……」(記・二九番歌)は従来「松褒めの歌」説や「美夜受比売への思慕の歌」説が行われていたが、東国で酒...
publisher奈良興福寺は、藤原氏の氏寺であったが、その全盛期(安和の変~後三条天皇即位以前)に於いては、必ずしも同氏の信仰(或いは処遇、貴種の入寺等)の第一位にあったとは考えがたい。同氏は、この...
百人一首の歌仙絵は類型的だと見られているが、近世初前期においては混沌としていた。その証拠として新出の『百人一首手鑑』(近世初前期成立) を例示したい。本書の最大の特徴は、四人の院が僧体で描かれているこ...
日本の中世の巷間を彩った室町小歌の代表的集成としては『閑吟集』『宗安小歌集』「隆達節歌謡」の三書がある。ところが近年、これに次ぐ第四番目の集成が出現した。昭和六十一年に東京神田の古書肆玉英堂の売立目録...
浪曲の伴奏をうけおう三味線では,弾かれるべき音のすがたは予め厳格に定まってはおらず,奏者は浪曲師の「節(ふし)」のありように対応して,その場その場で旋律を繰り出してゆく。こうした過程は,「リアルタイム...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
江戸期に刊行された道歌集のうち、堀原甫の編になる『念仏道歌西之台』(天保一二年〈一八四一〉刊・めとぎ屋幸助版)と題される一本が存在する。この書は仏教信仰のうち、浄土教信仰の理念に基づいた一二〇首(凡例...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の〝おもちゃ絵〞の歌謡資料である『新板小供うたづくし』を影印と翻刻によって紹介し、当該資料の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時...
近世(江戸時代)民謡の最大の特徴は、その教訓的内容にあると言ってよい。それらのうちの多くは、児童向けに親への孝を説いた歌謡で占められる。このような内容の歌は一般的には儒教的道徳によるものと受け取られる...
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「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習...
倭建命が東征の帰路に尾津前のーつ松の許で詠んだ歌「尾張に 直に向へる 尾津崎なる 一つ松 ……」(記・二九番歌)は従来「松褒めの歌」説や「美夜受比売への思慕の歌」説が行われていたが、東国で酒...
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百人一首の歌仙絵は類型的だと見られているが、近世初前期においては混沌としていた。その証拠として新出の『百人一首手鑑』(近世初前期成立) を例示したい。本書の最大の特徴は、四人の院が僧体で描かれているこ...
日本の中世の巷間を彩った室町小歌の代表的集成としては『閑吟集』『宗安小歌集』「隆達節歌謡」の三書がある。ところが近年、これに次ぐ第四番目の集成が出現した。昭和六十一年に東京神田の古書肆玉英堂の売立目録...
浪曲の伴奏をうけおう三味線では,弾かれるべき音のすがたは予め厳格に定まってはおらず,奏者は浪曲師の「節(ふし)」のありように対応して,その場その場で旋律を繰り出してゆく。こうした過程は,「リアルタイム...
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本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
江戸期に刊行された道歌集のうち、堀原甫の編になる『念仏道歌西之台』(天保一二年〈一八四一〉刊・めとぎ屋幸助版)と題される一本が存在する。この書は仏教信仰のうち、浄土教信仰の理念に基づいた一二〇首(凡例...