Effect of difference in the number of sets in the bench press resistance training to the greater pectoral muscle hypertrophy.

本研究では，レジスタンス・トレーニング（resistance training，以下「RT」と略す）における規則性や傾向を見出すことを目的に，RTに内在する変数を統制した上でシステマティック・レビューを行った。システマティック・レビューには以下の4点が統制された先行研究を選出し,それらにおいて提示されているセット数を比較した。具体的には，①ベンチプレスを種目として用いていること，②参加者がRT初心者ではなくRT経験者であること，③参加者が男性であること，④指標として1 Repetition Maximumを用いていること，である。上記の①～④に該当し，更にセット数の違いを比較している論文5編を分析対象として採用した。結果は,すべての論文においてトレーニング期間や頻度等にかかわらず設定された対象者群間に有意な差異は認められず，一貫してセット数の違いによる有意な群間差異は認められなかった。このような結果が得られた原因としては，RTにおける筋肥大や筋力改善における原理・原則である「個別性の原則」と「漸進性の原則」の統制が不十分な実験計画での検討が含まれていたことが関連していると推察される