江戸の商人研究は、史料的な制約と流通史研究の関心から、長らく上方に本拠をおく他国住商人の江戸店、とくに呉服など限られた職種の問屋の分析に限られてきた。近年、江戸住商人をとりあげた論考も蓄積されつつあるが、とくに彼らの信仰の検討は不十分である。そこで、本稿では、質屋・古着商売の大店美濃屋加藤家を素材として、江戸住商人の大店の信仰を検討した。加藤家の信仰の基調は浄土宗であり、「陰徳」を積んで浄土に旅立つことに目的があった。そのため、自身の家の先祖供養を行うとともに他者を救済し、さまざまな講を組織し、また家としても寄進を行ってきた。「陰徳」や、「名聞ケ間敷」行為を避けるという点に、多くの商家が規範とした心学との整合性も認められることが注目される。とくに信仰の対象となったのは、甲斐善光寺と菩提寺の哲相院である。甲斐善光寺については、宝暦四(一七五四)年の火災からの再建にあたって莫大な寄進を行い、また江戸の旅宿を通じてその後も寄進を続けた。また、哲相院については先祖供養のみならず、最終的には甲斐善光寺の江戸の旅宿を設けている。このほか、信州善光寺、高田善導寺、江戸の十八檀林の一つである本所霊山寺、といった有力な浄土宗寺院にも寄進が及んだ。さらに浄土宗寺院にとどまらず、高野山での先祖供養、浅草観音や清涼寺への寄進など、信仰は他宗派の寺院、神社にも及んだ。こうした信仰の上に立って、加藤家では家族の人生儀礼のみならず、経営においても判断基準として「霊夢」や「御告」を用い、さらには「御仏勅」を求めた。その信心の実際は判断できないが、少なくとも納得する手段として重要な役割を果たしたのである。さらに、非日常的に行われる参詣や、開帳への参加も、こうした信仰と次元を異にするものではなかった。その参加に...
110009751946この研究ノートは、緊急・開発援助に携わる国際非政府組織(INGOs)が多様な利害関係者に説明義務(アカウンタビリティー)を果たす上で抱える組織運営の課題について考察することを目...
ベトナム漢墓ヤンセ第3次調査による墓葬単位の一括遺物の比較から,灰釉壺と灰陶甕を中心に型式学的な変遷を捉え,フーコック,マントン1A・1B号墓,ゴックアム1号墓,ビムソン2号墓,ビムソン3号墓,ビムソ...
application/pdf本稿では、『延喜式』にみえる赤幡が古代社会において果たした役割を検討することにより、赤色に対する色彩認識が人々の行動に与えた影響を明らかにすることを目的とした。 古代社会...
application/pdf江戸の商人研究は、史料的な制約と流通史研究の関心から、長らく上方に本拠をおく他国住商人の江戸店、とくに呉服など限られた職種の問屋の分析に限られてきた。近年、江戸住商人をと...
本論は、山伏神楽・番楽と結びつけて考えられることの多かった権現舞と獅子舞を、その主な担い手であった修験者との関わりの中で考察した。東北地方では、中世期以降、修験者が地域の人々の依頼に応じて数多くの宗教...
『常陸国風土記』には,7世紀中葉における信太,行方,香島,多珂,石城などの諸評(郡)の建評記事がみられ,国造制にもとづく新治,筑波,茨城,那珂,久慈,多珂の6国が12の評に分割される過程がうかがえる。...
本稿は、新見庄域として知られている岡山県神郷町高瀬(現新見市高瀬)における宮座の変質および再編について民俗学的観点から考察を行なったものである。岡山県をはじめ、中国地方には中世に端を発するとされる「名...
寺院の仏堂に比べて、神社本殿は規模が小さく、内部を使用することも多くない。しかし、本殿の平面形式や外観の意匠はかえって多種多様であって、それが神社本殿の特色の一つと言える。建築史の分野ではその多様な形...
application/pdf大阪府南河内郡美原町とその周辺の地域は,特に平安時代後期から南北朝期にかけて活躍した「河内鋳物師」の本貫地として知られている。これまでその研究は主に金石文と文献史料を中心...
本論考は、満州事変・日中戦争、アジア太平洋戦争期をとおして、国家、特に軍が、兵士の見送りと帰還にどのような方針で臨んだのか、また兵士はどのようにして戦場へ送り出され、あるいは帰還したのかという点につい...
16世紀から19世紀にわたり、西欧諸国に強大な封建制度が敷かれ、幾多の絶対王朝が君臨した。その中でオランダは16世紀に入り商人を中心に民主的政治を強め、市民が自治平等の立場で協力しあい、海面下を干拓し...
日本の伝統的「家」は、一筋の継承ラインにそう永続性を第一義とし、血縁のつながりを必ずしも重視しない。また、非血縁の従属者も「家の子」として包摂される。こうした「家」の非血縁原理は、古代の氏、及び氏形成...
application/pdf本稿は、特定研究「民俗の地域差と地域性」の共同研究会が設定した基本調査項目にしたがった、定点調査地、新潟県佐渡郡相川町南片辺のモノグラフである。南片辺は一九八五年現在、戸...
application/pdf大原幽学は、全国を流浪した後、下総国香取郡長部村(千葉県干潟町)に居を定め、産業組合組織による耕地整理・農業技術改良・農作業の計画化・消費物資の共同購入といった方法で、天...
application/pdfここでの問題意識は、民衆・常民の視点、民衆・常民の側に立った史学、文化史が民間伝承の学(民俗学)の本質とするならば、語りの部分、語られた部分を基礎に、戦争をとらえていくこ...
110009751946この研究ノートは、緊急・開発援助に携わる国際非政府組織(INGOs)が多様な利害関係者に説明義務(アカウンタビリティー)を果たす上で抱える組織運営の課題について考察することを目...
ベトナム漢墓ヤンセ第3次調査による墓葬単位の一括遺物の比較から,灰釉壺と灰陶甕を中心に型式学的な変遷を捉え,フーコック,マントン1A・1B号墓,ゴックアム1号墓,ビムソン2号墓,ビムソン3号墓,ビムソ...
application/pdf本稿では、『延喜式』にみえる赤幡が古代社会において果たした役割を検討することにより、赤色に対する色彩認識が人々の行動に与えた影響を明らかにすることを目的とした。 古代社会...
application/pdf江戸の商人研究は、史料的な制約と流通史研究の関心から、長らく上方に本拠をおく他国住商人の江戸店、とくに呉服など限られた職種の問屋の分析に限られてきた。近年、江戸住商人をと...
本論は、山伏神楽・番楽と結びつけて考えられることの多かった権現舞と獅子舞を、その主な担い手であった修験者との関わりの中で考察した。東北地方では、中世期以降、修験者が地域の人々の依頼に応じて数多くの宗教...
『常陸国風土記』には,7世紀中葉における信太,行方,香島,多珂,石城などの諸評(郡)の建評記事がみられ,国造制にもとづく新治,筑波,茨城,那珂,久慈,多珂の6国が12の評に分割される過程がうかがえる。...
本稿は、新見庄域として知られている岡山県神郷町高瀬(現新見市高瀬)における宮座の変質および再編について民俗学的観点から考察を行なったものである。岡山県をはじめ、中国地方には中世に端を発するとされる「名...
寺院の仏堂に比べて、神社本殿は規模が小さく、内部を使用することも多くない。しかし、本殿の平面形式や外観の意匠はかえって多種多様であって、それが神社本殿の特色の一つと言える。建築史の分野ではその多様な形...
application/pdf大阪府南河内郡美原町とその周辺の地域は,特に平安時代後期から南北朝期にかけて活躍した「河内鋳物師」の本貫地として知られている。これまでその研究は主に金石文と文献史料を中心...
本論考は、満州事変・日中戦争、アジア太平洋戦争期をとおして、国家、特に軍が、兵士の見送りと帰還にどのような方針で臨んだのか、また兵士はどのようにして戦場へ送り出され、あるいは帰還したのかという点につい...
16世紀から19世紀にわたり、西欧諸国に強大な封建制度が敷かれ、幾多の絶対王朝が君臨した。その中でオランダは16世紀に入り商人を中心に民主的政治を強め、市民が自治平等の立場で協力しあい、海面下を干拓し...
日本の伝統的「家」は、一筋の継承ラインにそう永続性を第一義とし、血縁のつながりを必ずしも重視しない。また、非血縁の従属者も「家の子」として包摂される。こうした「家」の非血縁原理は、古代の氏、及び氏形成...
application/pdf本稿は、特定研究「民俗の地域差と地域性」の共同研究会が設定した基本調査項目にしたがった、定点調査地、新潟県佐渡郡相川町南片辺のモノグラフである。南片辺は一九八五年現在、戸...
application/pdf大原幽学は、全国を流浪した後、下総国香取郡長部村(千葉県干潟町)に居を定め、産業組合組織による耕地整理・農業技術改良・農作業の計画化・消費物資の共同購入といった方法で、天...
application/pdfここでの問題意識は、民衆・常民の視点、民衆・常民の側に立った史学、文化史が民間伝承の学(民俗学)の本質とするならば、語りの部分、語られた部分を基礎に、戦争をとらえていくこ...
110009751946この研究ノートは、緊急・開発援助に携わる国際非政府組織(INGOs)が多様な利害関係者に説明義務(アカウンタビリティー)を果たす上で抱える組織運営の課題について考察することを目...
ベトナム漢墓ヤンセ第3次調査による墓葬単位の一括遺物の比較から,灰釉壺と灰陶甕を中心に型式学的な変遷を捉え,フーコック,マントン1A・1B号墓,ゴックアム1号墓,ビムソン2号墓,ビムソン3号墓,ビムソ...
application/pdf本稿では、『延喜式』にみえる赤幡が古代社会において果たした役割を検討することにより、赤色に対する色彩認識が人々の行動に与えた影響を明らかにすることを目的とした。 古代社会...