本論文の中心テーマは「新・江戸東京研究は何をめざすか」であり、そのことを明らかにするために、2021年9月7日~10月3日にHOSEIミュージアムで開催された展覧会「〈人・場所・物語〉―“Intangible”なもので継承する江戸東京のアイデンティティ」の全容を紹介した。まず、本展示の企画をした法政大学江戸東京研究センター(EToS)設立の経緯を述べ、その成果を示した。センター設立の2018年1月から本展覧会までの3年半のあいだに、シンポジウム・研究会89回、そのうち国際シンポジウムは13回、延べ参加人数は8630人、書籍・報告書の刊行は49編、論文・学会発表は126件を数え、メディアへの登場も頻繁であった。法政大学の江戸文化研究の歴史は戦前から今日まで続いている。1980年代に誕生した「江戸東京学」の影響を受け、現在は人文科学分野の研究だけでなく、都市デザインや社会の研究も含み、学際的な都市学、地域学として新たな研究領域を切り開いている。今回の展示の題名には“Intangible”(不可視の)という言葉を使った。江戸東京は、過去の大火・水害・震災・戦災と、それらによる幾度にもわたる消失を経験した結果、短い周期でスクラップ・アンド・ビルドをくり返した。それでも江戸東京のアイデンティティを保持してきたのは、人々が変化と変貌をみつめつつも、その底に流れ続けてきた水流、起伏に富んだ地形、大きな建造物や小さなモノで構成される生活空間のありよう、郊外の自然、江戸東京の地名、それぞれの場所にまつわる記憶と物語と言い伝え、そこに暮らした人々と活動と賑わいを、体験しまた語り伝えてきたからである。それらはIntangibleな遺産である。その認識から、本展覧会はそのIntangibleな遺産に...
application/pdf「水田中心史観批判」は,過去四半世紀における日本史学のひとつのトレンドであった。それは,文化人類学,日本民俗学の問題提起に始まり日本文献史学,考古学へと拡がった,水田稲作...
application/pdf本論文は,「本来の」居住地からの「移動」を経た,首都圏に居住するアイヌ民族の文化伝承活動の特性を考察することで,物理的移動を超える「移動性」(〈移ろい動く〉もの)について...
application/pdf伝承という概念は日本民俗学の中核にあって,学問の成立の根拠になってきた。本論文は,広島県の比婆荒神神楽を事例として伝承の在り方を考察し,「伝承を持続させるものとは何か」に...
本論文の中心テーマは「新・江戸東京研究は何をめざすか」であり、そのことを明らかにするために、2021年9月7日~10月3日にHOSEIミュージアムで開催された展覧会「〈人・場所・物語〉―“Intang...
柳田國男は一九三〇年代から、特定の時代・地域の人びとにおける「良い/悪い」や「好き/嫌い」といった感性的な価値判断を「趣味」という言葉でとらえ、心意現象の一部として民俗資料に含めることを提唱していた。...
application/pdf本論文は,近年の日本で極めて広範な対象を文化資源化している「近代化遺産」をめぐる動きを明らかにすることを目的として,とくに軍事施設までもが文化資源化される現象を取り上げた...
本共同研究は,教材研究において学校教師が複数の論文の読解を読み取る現実に即して,2つ以上の複数の論文を取り上げ,その領域における研究=学習の発展を読み取るには,どのように読解すればよいのかを究明するも...
本稿は被災地でおこなわれる文化財レスキュー活動を地域開発の視点からとらえ,課題を検討することを目的とする。事例として国立歴史民俗博物館が携わった宮城県気仙沼市小々汐の個人住宅,尾形家住宅における生活用...
application/pdf文化・文政期以後の江戸の町では数多くの料理茶屋が営業をおこなっていたが、それらの宣伝には引札類もさることながら、見立番付などの一枚刷、あるいは絵双六や錦絵などが実質的に大...
宮沢賢治は土壌や地質の調査に地図を用い、測量も行ったので、その体験が作品に反映している。彼の代表作「銀河鉄道の夜」の天の野原に立つ無数の「三角標」の描写もその例である。この「三角標」は「測標(一時的に...
本稿は台形様石器の様相について検討した論稿である。このことについては佐藤宏之によって『台形様石器研究序論』が発表されており,該期の研究において姶良Tn火山灰降灰以前の石器群の解明が期待された。その後2...
クモを闘わせる遊びの文化(本稿では「クモ合戦」と記述)は、日本列島の太平洋側沿岸部を中心に広い範囲に分布していたことが川名・斎藤による先行研究で明らかにされている(川名・斎藤1985)。本稿ではその中...
本研究は,専門科学者がおこなう「真正な実践」の解明に向けたシリーズ研究のうち,知識の社会領域の中でも歴史学者の研究に注目し,「歴史学者ならではの学習過程とはどのようなものか」「その学習過程は,歴史教師...
application/pdf日本住宅公団によって昭和34年から建設がはじまった赤羽台団地(所在地:東京都北区,総戸数:3373戸)は,団地としての様々な試みが実現した記念的な団地ということができる。...
2017年6月に南硫黄島の陸産貝類の調査を行なった。調査によって得られた新しい知見に基づいて種構成の見直しを行い、イオウジマノミガイなど新記録種を含めて合計14種を見出した。今回新たに記録された種のう...
application/pdf「水田中心史観批判」は,過去四半世紀における日本史学のひとつのトレンドであった。それは,文化人類学,日本民俗学の問題提起に始まり日本文献史学,考古学へと拡がった,水田稲作...
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