日本古代の印章は,印影や現存印を含めても相当数にのぼり,大きく官印と私印,寺社印の三つに分類できる。そのうち,官印には法令に規定のある公印とそれ以外に分けられ,私印も家印と個人印に分けられる。ただ,印の押し方は公文書・私文書を問わず,同じように,文字のあるところに全面に押されている。貞観年間になると,それまで私文書にしか押されなかった私印が封家の発給する文書にも押されるようになった。現存の古文書などから使われ方を見ると,寺社印と家印は公印的に用いられることが多いが,私印は様々である。特に,公的家を持ちうる貴族層では,家印と個人印の区別がつきにくい。中には,個人の名前を刻した印を家印として用いた例もあって,厳密に個人印と家印を峻別することは困難である。一方,私印に刻する文字は,名前か名前の一部,それに「印」等の文字を入れて刻するのが一般的である。しかし,平安時代中期になると,中には自分の気に入った吉祥句や成語などを選んで刻し,それを使うことで特定の個人や家などを差す例も存在している。そのような私印をここでは,「遊印」と呼んだ。こうした一般的な印の使い方以外に,信仰に用いるものもある。9世紀頃から印を一種の呪物として土中に埋めることがあったようである。この方向が進んで,平安時代後期以降になり,印鑰社とか,仏像の手に印章を持ったりするのが現われてくるようである。使われ方は異なっているが,こういった印を信仰に用いる例は,3世紀頃の中国にもあったようで,民間道教的祭祀の中に見ることができる。日本の古代に見える信仰に用いられた印は,こうした中国の民間の祭祀が間接的に影響を与えた可能性が存在するようである。There are a considerable number of seals a...
application/pdf個人の名前とその命名システムは社会構造と深く関連していると考えられる。この報告は個人名と社会構造との関連の研究の一環として,中国西南部の苗族の命名システムと社会構造,とく...
本稿では、「共時態」を「同時性の軸上の静的な」言語態と定義した場合、その「同時性」には、言語使用者が具体的に言語を共有しているという意味合いにおいての「同時性」と言語の観察者・分析者が設定した「同時...
小林行雄は,1955年に「古墳の発生の歴史的意義」を発表した。伝世鏡と同笵鏡を使い,司祭的首長から政治的首長への発展の図式を提示し,畿内で成立した古墳を各地の首長が自分たちの墓に採用していった意義を追...
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ここでは,災害資史料全般の見通しを付ける第一歩として,民間の情報活動が活発化する近世中後期以降災害絵図を素材に,史料の分類を試みた。分類は,制作担当者,成果物の閲覧者または利用者,制作目的の三項を基準...
application/pdf古代銅印は,近年発掘調査による出土例が増加している文字資料の一つである。銅印については,これまでさまざまな視点からの集成作業や研究が行われてきたが,考古資料としての位置付...
本稿では、「フォーラム 共生/共創の多角的検討(1)違和感とフラストレーションを起点とした協同的オートエスノグラフィー」を受け、いかに「当事者」の声を聴き、向き合いうるかを論じる。まず、共生や共創の前...
高知大学Kochi University程度を表す「ばかり」は古く奈良時代に用例が認められ,先行研究によれば,時代を下るにしたがって限定の意味機能へ移行し,現代ではさらに強調機能が加わったと考えられる...
お竹大日如来とは、江戸で下働きをしていた竹という名の女性が、大日如来として出羽国に祀られたものである。幕末の江戸の落語家である入船扇蔵が収集した摺物を貼り合わせた『懐溜諸屑』には、嘉永二年(一八四九)...
application/pdf古代においても,私印は文書に捺されるのが最も普通の用途である。ところがまれに,焼成前の土器に捺した事例が見られる。生産窯や貢納主体の国や郡を表示するために印を土器や瓦に捺...
本稿は隅田荘を対象に、神社祭祀を結合契機とする地域社会が、在地領主連合という中世的世界を解体させ、村役人を運営主体とする村連合へと移行し、さらにその内部秩序を変容させていくまでの過程を明らかにしたもの...
古墳時代前期から中期初めにかけての4世紀前後の古墳の埋葬例のうちには,特に多量の腕輪形石製品をともなうものがある。鍬形石・石釧・車輪石の三種の腕輪形石製品は,いづれも弥生時代に南海産の貝で作られていた...
私たち日本人は,日常,飯を食べるための碗を「お茶碗」(tea-bowl)と呼び習わしているにも拘わらず,こうした習慣が,どのような理由で,いつから行われていたのかについては,必ずしも明らかではない。日...
今世紀になってから,有機化学の発展に伴い多くの合成の素材が開発されており,そのうちのいくつかは,絵具,ワニス,接着剤などの材料として用いられている。これらの新しい素材は,修復のみならず製作にも使われる...
さきに拙稿「墨書土器とその字形」において、古代の集落遺跡から出土する墨書土器は、一定の祭祀や儀礼行為等の際に土器になかば記号として意識された文字を記載したのではないかと指摘し、今後、古代村落内の信仰形...
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