『般舟三昧経』(T. 418)は支婁迦讖によって179 年に訳出されたと伝わる初期大乗経典である。異本の内で最も古い形態を留めており、〈般舟三昧経〉の研究における第一の資料となる。また、訳出された年代の早さから、初期大乗を研究する上でも押さえておかなければならない資料である。第二章を取り上げるのは、これが般舟三昧の説明を担う重要な章だからである。近年ではこの章が原初形態を示しているという見解が提示されており、学界の注目度も高い。この第二章の研究により、原初的な般舟三昧のあり方を追究し、この三昧が如何なる修道論上の要請に答えるべく生み出されたのかを明らかにすることができる。そして最終的に、編纂者たちの思想的立場といった初期大乗の研究に重要な情報を提示することが可能である。本稿はその研究の前段階として『般舟三昧経』第二章の和訳と註を作成する。支婁迦讖初期大乗浄土教阿弥陀仏念