日本学科という分野に行われる比較文化作品の研究においては作品のコンテンツの比較が強調される。したがって、多くの場合では作品が制作され、消費された媒体と制作され、消費された環境の社会的・技術的な特徴があまり論じられない。しかし、そのようなコンテンツ以外の要素が作品の創作と受容に重要な影響を与えると論ずる研究者がいる。現在には個人の消費者による文化製品のデジタル化とオンライン流通の可能性が多様化しつつある。作者の承知と関係なく作品が変化・流通される時代においては媒体と環境の影響がますます重要になるともいえるだろう。 本稿では、有効な文化製品の比較文化研究を行うためにその作品が発表される媒体と環境に随分注意する必要があると提案する。pixivとdeviantArtというオンラインイラスト交換サービスの技術的な特徴とその特徴が投稿される作品のコンテンツに与える影響の比較研究という実例を取り上げる。 Cross-cultural comparisons of cultural works usually focus on the content of the works. Comparatively little attention is devoted to the concrete medium in which a work was created and consumed, and to the technical and social properties of the environment in which a work was created and consumed. However, it has been argued that such non-cont...
私たちが教師として文学作品を授業で扱うとき、懸命にテクストの解釈にいそしむあまり、その結果としてたどりついた「すぐれた」テクスト解釈を良きものとする傾向はないだろうか。あるいは、教室での「話し合い」の...
我が国の音楽大学を卒業する学生のうち、職業演奏家の道に進む者は一部に限られている。しかし、ステージでの演奏は、心を豊かにし、精神を高みへと導く営みである。演奏者は、作曲家への畏敬のもと、作品をどのよう...
パラダイムという用語が,一般的な市民権をえて久しい。もともとパラダイムはクーンの科学史研究から生じたものである。しかしながら,これは,今や経営学,政治学等の社会科学においてより目につくことが多いわけ...
教育の現場において、学ぶべき音楽素材はなによりもまず教師によって提示される。学生は、その素材を理解するため、様々な糸口を探す。その際大きな助けになるのは、教師の説明とその方法である。とりわけ一般教育機...
アルツハイマー病と診断された患者において軽度から中等度の障害進行段階にある10事例の認知体験の構造を、現象学的アプローチを用いて検討した。面談会話記録と参加観察データを現象学的還元によって解釈すること...
本稿では、居住者の多国籍化・多言語化・多文化化が進展した焼津市T団地を事例として取り上げ、今後の多文化共生社会実現に向けて地域コミュニティはどのような方向を目指すべきかを論じた。アンケート調査の結果か...
井伏鱒二『多甚古村』は戦時下のベストセラーであり、井伏の代表作の一つである。だが同時代に「世相と良識」を描いたとして好評のうちに迎えられたこの作品は、戦後においては立て続けに批判の対象となるなど、評価...
特別支援教育において、タブレット端末の利活用は期待されている。しかしながら学校現場では児童生徒個人の特性に合わせた教材が多いとはいえず、その利活用は浸透していない。この状況を鑑み、タブレット端末画面上...
クルップ社は1870年代初頭に生産増に伴い従業員も増え,エッセン市で住宅不足が発生した。住宅供給を家賃や住宅の質の面から民間市場に任せられずに,クルップ社は自前で矢継ぎ早に住宅団地建設に乗り出した。...
本論文では,スーパーサイエンスハイスクール学校設定科目「科学探究」において,アーギュメント・スキルを高めることを目的とした授業の内容とその評価を報告する。高等学校第1学年(2019年度197名,202...
現在、世界中の高等教育において、「信仰間の対話」プログラムが数多く採用されるようになっているが、それはまさに、信仰間での葛藤や緊張関係が、グローバルな規模で広がっていることが、その大きな要因となってい...
心理臨床家にとって、自分自身の心理過程を検討することはクライエントを理解することと同様に極めて重要である。「セラピスト・フォーカシング」はセラピストがある事例を担当するうえでの自分自身のフェルトセンス...
『法律』第一巻でプラトンは人間を神的な操り人形に喩える。この比喩に表現されている彼の人間観は、彼が我々を神々の玩具と呼ぶこともあって、しばしば悲観的だとみなされてきた。しかし近年の研究者たちはこの悲観...
中古から近代まで「泣く」「涙」を描写するオノマトペを見てみると、擬音語・擬態語ともに基本形はすでに古くから存在しており、時代によって多く使われるオノマトペが多少変化してはいるが、中古に見られたオノマト...
1件。30丁。26.1×19.1cm。楮紙。咸豊3(1853)年3月。この史料は、咸豊3(1853)年に、当時仮若文子であった宮良當宗によって筆写された案文集である。内容は多岐にわたるが、前半はロバー...
私たちが教師として文学作品を授業で扱うとき、懸命にテクストの解釈にいそしむあまり、その結果としてたどりついた「すぐれた」テクスト解釈を良きものとする傾向はないだろうか。あるいは、教室での「話し合い」の...
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