２次元セルラーオートマトンを用いた基本的な画像処理について

セルラーオートマトン(CA) は時間、空間、状態が全て離散値をとる非線形動的システムである。CAは初期値とルールテーブルという簡素な規則により動作し、多彩な空間パターンを描く。応用として、信号処理や情報圧縮、自然現象のシミュレーション等がある。本論文はこのCAを画像処理に応用する。基本的な画像処理として画像のノイズ除去と要素抽出を行い、提案する手法やルールテーブルの有効性を計算機実験によって検討し考察する。ノイズ除去では、提案する2次元CAのルールテーブルを既存の手法である侵食・拡張手法とメディアンフィルターを用いて比較する。ノイズ除去はノイズの位置や量、または処理する画像によってノイズ除去のしやすさが変わる。ノイズ除去がしにくい形の画像に対してノイズの量を変え、それぞれの手法を用いた場合の特性について計算機実験により検討する。さらに、それぞれのノイズ除去手法を組み合わせて用いることで効率よくノイズ除去が行える手法を提案する。要素抽出では、画像中の複数ある要素の中から典型的な形である楕円形の要素のみを抽出する手法について考える。その方法として、要素の形を小さくしていく侵食という手法を用いて楕円形の要素以外を消去し、楕円形の要素のみを画像中に残すということを行う。その侵食を行うためのルールテーブルについて考え、提案したルールテーブルの有効性を計算機実験によって検討する。さらに、そのルールテーブルに改良を加えたものについて示し、そのルールテーブルを用いた実験結果を改良前と比較し考察する。Cellular Automata (CA) are nonlinear dynamical systems where time, space and state are all discrete. Their dynamics are governed by rule tables and initial states. They can generate a variety of spatiotemporal patterns. The CA have a variety of applications including information processing, data compressing and simulation of natural phenomena.This paper studies an application of 2-dimension cellular automata (2D-CA) to basic image processing: noise reduction and desired shape extraction.In the noise reduction, we have applied three methods: a basic CA rules, dilation and erosion method and the median filter. The noise reduction performance depends on position of noise, shape of images, etc. Performing basic numerical experiments, advantages/disadvantages of each method are investigated.In the desired shape extraction, we present a method to realize ellipse shape extraction.The performance is depending on the rule tale. Performing basic umerical simulation, the system efficiency is investigated.修士(工学)法政大学 (Hosei University