日本の金融制度は,かつては「護送船団」と言われるほど微細にわたる規制に服していたが,1990年代に行われた大小さまざまな制度改革の結果,現在では,規制ではなく競争原理に立脚する制度が実現するに至っている.それは,一面では90年代に入る前から続けられてきた自由化の完成であるとともに,他面,競争の結果として個別行が破綻しても金融システム全体が危機に陥らないための制度整備の過程でもあった.ところが,こうした制度改革にもかかわらず,借り手から見ると,銀行取引の市場は,なお十分に競争的ではないように観察される.その理由としては,借り手と貸し手の間に情報の偏在が生ずるという与信取引に固有の問題が,競争原理の単純な作用を妨げているという可能性があろう.仮にそうだとすれば,情報の偏在の問題を解決するような取引のしくみが開発されなければならないが,近時普及しつつあるコベナンツ付き融資は,その一つとなり得るのではないかと考えられる.The banking regulation in Japan underwent a radical shift in the 1990\u27s. As a result, thepresent regulation appears to be sufficiently competitive, even as compared with other states. The scheme to cope with bank failures and prevent them from triggering a systemic crisis has also been developed. However, judging from a survey among ...
戦後日本の中小企業政策史を振り返ってみると,3つのエポックがあった.第1が1948年の中小企業庁の設立,第2が1963年の中小企業基本法の成立,そして第3が1999年の中小企業基本法の抜本的改正である...
半世紀以上にわたってわれわれに影響を及ぼし続けてきた日本の金融システムは,昭和金融恐慌という危機にその淵源を求めることができる.そして今や,このシステムは新たな危機に直面し,終焉を迎えている.この論文...
本稿は,独占禁止法上の企業結合規制における「有効な牽制力ある競争者」概念の再構成を目的とするものである.「有効な牽制力ある競争者」概念は,八幡・富士合併事件同意審決以来,実務上重要な問題であるとされな...
バーゼル自己資本規制の国内採用以来,日本はその遵守を疑問視され続けてきた.本稿は,どのような政治力学のもと日本の規制当局が遵守から逸脱したのかを論じる.90年代における日本の遵守状況を実証的に検討する...
この論文では、戦前・戦後にわたる長期的なパースペクティブから銀行業の産業組織の変化を展望するとともに、その銀行経営の効率性に対するインプリケーションを検討する。第一に、銀行業の市場構造の戦前・戦後比較...
本文分析台灣在2002年到2008年之間實施兩次金融改革在銀行業造成的政策效果。第一次金改的目標在於提升資本適足率與降低逾放比,第二次金改則是鼓勵銀行進行合併。本研究的重點在於探究金改政策對於產業競爭...
日本商业银行在日本战后经济恢复中发挥了重要作用,其竞争力发展变迁过程可以概括为"基础竞争力培养→强势体制竞争力/弱势现实竞争力→强势综合竞争力→强势现实竞争力/弱势潜在竞争力→核心竞争力缺失...
This paper empirically investigates whether the responsiveness of aggregate demand to the nominal in...
メインバンク制のような銀行による企業のガバナンスについては,最近の研究でそのメカニズムが明らかになってきている.その一方で,銀行自身に関するガバナンスについては,必ずしも十分な研究が行われてきたとはい...
1990年代の「金融ビッグバン」は,日本の金融システムの抜本的自由化を図り,自由で公正でグローバルな金融市場を創出することを目指したものだった.しかし現在,証券市場の停滞や銀行の不良債権問題などに見る...
进入新世纪以来,中国金融业不仅面临加入WTO后经济全球化的更激烈竞争,而且面临西方国家金融管制放松、金融混业经营新趋势的影响。与此同时,中国经济还有工业化和市场化的两大任务,具有发展经济和经济转轨的两...
本稿では日本政策投資銀行(以下政投銀と略)を例として公的金融の役割と民営化問題について考察した.特に政投銀の情報生産能力に注目した.これについては,多くの実証研究が.政投銀が民間銀行の融資を引出すとい...
1990年代後半以降,日本の貸出市場では,貸し渋りと追い貸しという二つの非効率性の問題が議論されてきた.瀬下・山崎(2004)は,債権者間で優先権が侵害される規定が日本の民法や倒産法に存在しており,こ...
本稿では1990年代に財政赤字の拡大が生じた理由について,政治的環境の変化に留意しつつ検討を行なった.本稿の分析によれば,現実の財政赤字の相当程度はこの間に日本経済に生じたショックに対する適切な反応(...
This paper empirically investigates whether the responsiveness of aggregate demand to the nominal in...
戦後日本の中小企業政策史を振り返ってみると,3つのエポックがあった.第1が1948年の中小企業庁の設立,第2が1963年の中小企業基本法の成立,そして第3が1999年の中小企業基本法の抜本的改正である...
半世紀以上にわたってわれわれに影響を及ぼし続けてきた日本の金融システムは,昭和金融恐慌という危機にその淵源を求めることができる.そして今や,このシステムは新たな危機に直面し,終焉を迎えている.この論文...
本稿は,独占禁止法上の企業結合規制における「有効な牽制力ある競争者」概念の再構成を目的とするものである.「有効な牽制力ある競争者」概念は,八幡・富士合併事件同意審決以来,実務上重要な問題であるとされな...
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日本商业银行在日本战后经济恢复中发挥了重要作用,其竞争力发展变迁过程可以概括为"基础竞争力培养→强势体制竞争力/弱势现实竞争力→强势综合竞争力→强势现实竞争力/弱势潜在竞争力→核心竞争力缺失...
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メインバンク制のような銀行による企業のガバナンスについては,最近の研究でそのメカニズムが明らかになってきている.その一方で,銀行自身に関するガバナンスについては,必ずしも十分な研究が行われてきたとはい...
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1990年代後半以降,日本の貸出市場では,貸し渋りと追い貸しという二つの非効率性の問題が議論されてきた.瀬下・山崎(2004)は,債権者間で優先権が侵害される規定が日本の民法や倒産法に存在しており,こ...
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戦後日本の中小企業政策史を振り返ってみると,3つのエポックがあった.第1が1948年の中小企業庁の設立,第2が1963年の中小企業基本法の成立,そして第3が1999年の中小企業基本法の抜本的改正である...
半世紀以上にわたってわれわれに影響を及ぼし続けてきた日本の金融システムは,昭和金融恐慌という危機にその淵源を求めることができる.そして今や,このシステムは新たな危機に直面し,終焉を迎えている.この論文...
本稿は,独占禁止法上の企業結合規制における「有効な牽制力ある競争者」概念の再構成を目的とするものである.「有効な牽制力ある競争者」概念は,八幡・富士合併事件同意審決以来,実務上重要な問題であるとされな...