個人情報保護のため削除部分あり近年、フランス革命期の政治結社(クラブ) 研究においては、ソシアビリテ論や政治文化論に基づいた研究が盛んであるが、クラブの地方政治への関与という問題については依然明らかになっていない。また社会学者ハーバーマスの「公共空間」論とクラブの関係を問う研究も端緒についたばかりである。本稿では以上の問題を、ルーアンのクラブを例に検討した。その結果、クラブは請願書などの間接的な政治への影響力だけではなく、メンバーの行政職への浸透や市監視委員会の創設などを通じ、市の政治に直接的影響力を強めていったこと、共和二年以降は、クラブ自体が公共的活動を展開し、さらに「公的」機関として地方政治に関与したことが明らかになった。またクラブは、市民による「政治の主体化」という特徴をもつ政治約ソシアビリテであり、革命の初期には「世論」を生み出す力を持ち得ていた。しかし共和二年秋以降、クラブが行政機関化することにより自由な議論は行なえなくなる。このため、議論に基づいて「世論」を形成する「公共空間」の発展は恐怖政治期に阻害されてしまったといえよう。Les travaux recents sur les societes politiques dans la Revolution francaise ont une forte tendance a remarquer la sociabilite et la culture politique. Le role et la pratique des societes sont revalorises, cependant il y a deux questions: le rapport entre les societes et l...