農業生産における規模と生産性の逆相関関係は, 発展途上国を中心に広く報告されており, 農地の配分効率性の観点から政策的な関心も高い. 本稿は, 『庄内地方米作農村調査』(1935年)の農家レベルのミクロデータを整備し, 山形県庄内地方の稲作でこの逆相関がみられるか, またその潜在的な要因となる農地貸借市場は効率的だったのかを検証する. 検証の結果, 生産性および投入強度について, 明瞭な逆相関関係はみられなかった. 農地貸借は, 余剰農地の貸し出しはほぼ完全にできているものの, 借り入れは不十分であった. これらの結果は, 農地市場がおおむね効率的だったため, 生産性や投入強度の逆相関が発生しなかったことを示唆している. ただし, 農地不足の農家は借り入れが十分できず, 家族労働力を過剰に抱え込んでしまった可能性はある. 逆にいえば, 大規模層は, 土地生産性を落とさず労働力を節約できており, 庄内地方で労働節約的な技術(耕地整理と乾田馬耕)が展開したことと整合的である. この技術採択を境界として大規模化する農家と落層する農家に両極分解したと考えられる.This paper exploits farm-level data of rice cultivating farmers in 1935 to examine the farm sizeproductivity relationship in the Shonai Region of Yamagata Prefecture. We find no clear inverse relationship between farm size and land productivity or input intensity. T...
1922年に公示された束京都市計画区域の範囲内では,郊外開発の手段として,土地整理(耕地整理または土地区画整理)を通じた街区整備と,それにあわせた都市計画道路の建設が採用された.土地整理は地租改正以来...
日本の稲作が、どこから伝えられたかを明らかにしようとするのが本論文の意図である。(上) 「稲の収穫法」では、稲の穂摘の慣行について検討する。ついで、弥生式時代遺跡から発見される石庖丁が、稲の穂摘具とし...
屋久島では、原生的な照葉樹林をはじめとして森林に関する研究が盛んに行われている。屋久島島内に散在する大小多数の森林調査区の毎木調査データを整理したところ、永久調査区と一時的調査区を含めて計27.9 h...
農業生産における規模と生産性の逆相関関係は,発展途上国を中心に広く報告されており,農地の配分効率性の観点から政策的な関心も高い.本稿は,『庄内地方米作農村調査』(1935 年)の農家レベルのミクロデー...
2015年に制定された都市農業振興基本法は,都市の農地や農業に対するそれまでの施策や方針とは大きく異なる方針が打ち出された。本稿では統計資料を用いて横浜市の農業の現状を整理した。都市部への農産物供給の...
本報告では,調査結果や行政資料などをもとに,読谷村内で行われている黙認耕作について分析し,黙認耕作者の置かれている現状などを指摘し,公共事業との兼ね合いも含めて将来的な問題点を述べるものである.始めに...
個人情報保護のため削除部分あり訂正あり(61巻4号p.641)土地利用を具体的に記載した史料を整理し、現地比定を試みると、平安期の大和盆地の条里地割内部には、荒地などの耕地でない部分や事実上の畠が意外...
宮崎県椎葉村大河内地区で基本的な生業として行われてきた焼畑農業における, 第二次世界大戦後の作物の種類と生産体系ならびに調理法について調査した。その結果, 焼畑ではヒエ, アワ, アズキ, ダイズ, ...
[概要]北海道と沖縄県を除く45都府県を対象に, クラスター分析を用いて2000~2005年の農業構造動態を考慮した類型化を行った。 その結果, 都府県群は以下の3類型に分類されることが示唆された。 ...
本稿は,農家の耕地規模の変動,離農,農家の新設と関連する要因を農家の労働力編成,耕地条件,農家経済の諸指標から検出し,農家の階層的変動の要因を解明する一助たらしめんと試みたものである。離農が多分に農業...
この論文では,徳川封建体制から現在までの期間におけるわが国農協発展史を論じる。この中には伝統的なものから近代的なものまでが含まれている。この目的のために,われわれはその歴史を,徳川期における展開,19...
地域産業連関表の記述対象は地域経済,国内その他地域経済,外国経済である.地域産業連関表の投入係数は単位当たりの商品生産関数を理論基底とし,自地域産原材料の使用比率と他地域産原材料の使用比率との合計であ...
近年,鹿児島県の中山間地域を中心に,亜熱帯性作物で夏が旬の緑竹(タケノコの一種)が導入されている。緑竹は高齢化対策,遊休農地の解消に繋がると同時に,鹿児島県は温暖湿潤な気候で,全国随一の森林資源を有し...
publisher奈良高度経済成長期を通してわが国の農業地域がいかなる変化を示したかについては,地理学の分野でも近年いくつかの論考を得るようになった,それらの成果をここで整理する余裕はないが,それらの...
本稿は,両大戦間期における農家の消費行動について,1931(昭和6)-41(昭和16)年の農家経済調査の個票データを用いて分析した予備的考察である.分析の中心は,戦前の農家世帯において重要であった,食...
1922年に公示された束京都市計画区域の範囲内では,郊外開発の手段として,土地整理(耕地整理または土地区画整理)を通じた街区整備と,それにあわせた都市計画道路の建設が採用された.土地整理は地租改正以来...
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屋久島では、原生的な照葉樹林をはじめとして森林に関する研究が盛んに行われている。屋久島島内に散在する大小多数の森林調査区の毎木調査データを整理したところ、永久調査区と一時的調査区を含めて計27.9 h...
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本稿は,農家の耕地規模の変動,離農,農家の新設と関連する要因を農家の労働力編成,耕地条件,農家経済の諸指標から検出し,農家の階層的変動の要因を解明する一助たらしめんと試みたものである。離農が多分に農業...
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1922年に公示された束京都市計画区域の範囲内では,郊外開発の手段として,土地整理(耕地整理または土地区画整理)を通じた街区整備と,それにあわせた都市計画道路の建設が採用された.土地整理は地租改正以来...
日本の稲作が、どこから伝えられたかを明らかにしようとするのが本論文の意図である。(上) 「稲の収穫法」では、稲の穂摘の慣行について検討する。ついで、弥生式時代遺跡から発見される石庖丁が、稲の穂摘具とし...
屋久島では、原生的な照葉樹林をはじめとして森林に関する研究が盛んに行われている。屋久島島内に散在する大小多数の森林調査区の毎木調査データを整理したところ、永久調査区と一時的調査区を含めて計27.9 h...