本稿の目的は、ネオリベラリズムやナショナリズム、デモクラシーといったものの布置について検討し、現代政治の基本的な構図を明らかにすることである。まず、ネオリベラリズムの概念を「経済的自由主義」および「政治的反自由主義」という2つの特徴によって整理する。その上で、ネオリベラリズムに対する肯定的な意識のありようを、計量データの分析を通じて探っていく。注目するのは「競争志向」「自己責任志向」「反福祉志向」「強権指向」「委任志向」といった意識である。分析によって浮かび上がってくるのは、こうした意識が「弱肉強食志向」と呼ぶべき心情的要因を介して結びついているということである。This article addresses the relationship among neoliberalism, nationalism and democracy, and attempts to outline the basic structure of modern politics. First of all, the concept of \u27neoliberalism\u27 is considered. Its most basic meaning lies in the combination of \u27economic liberalism\u27 and \u27political anti-liberalism\u27. Next, on the basis of such conceptualization, the article analyzes consciousness about neoliberalism based on a survey data. I foc...