On the Change of the Chinese Government\u27s Introduction Policy of Foreign Capital and It\u27s Background

中国政府は,2008年1月より外資優遇政策を撤廃し,外資も内資と同等の扱いを受けるようになった。外資政策転換の背景には,2001年のWTO加盟による,国際ルールの受け入れに伴う対外政策の転換と,胡錦濤政権下で打ち出された,経済成長優先政策から,環境問題に配慮した持続可能な成長と格差是正を目指す和楷社会作りを目標とする路線への転換がある。これは同時に,小平の「先富論」に基づいた外資依存輸出・設備投資優先政策から,個人消費拡大・内需主導型政策への転換でもあった。本稿では,対中進出製造業中小企業の動向と,その外資政策転換への対応を念頭におきながら,中国の外資政策,貿易政策の転換とその背景を明らかにし,進出製造業企業に与える影響についての分析視角を明らかにしようとするものである。第1章では,中国の外資・貿易政策の歴史的推移を概観し,その線上に今回の外資政策の転換を位置づける。第2章では,外資政策転換の背景を分析する。第3 章で,新しい外資・貿易政策の内容を国内経済政策の転換との関連で示し,その転換が,進出製造業中小企業に与える影響と今後の展望を明らかにする