Accumulation of money-capital in global market and international monetary systems

金融グローバリゼーションと「国際通貨」の現状を分析するには,そのベースとして,マルクス信用論の論理の世界市場における展開形態をみておく必要がある。この論文は,こうした観点から,商業信用,銀行信用,等々のマルクス信用論の諸範疇を用いて金融グローバリゼーションと「国際通貨」の理論的な位置と内容を確定するとともに,併せて若干の現状分析を試みている。出発点は商業信用の世界的な展開であって,外国為替取引は,単に国際決済のためではなく,世界的なスケールでの信用連鎖の延長の媒介環であることを示し,こうした外国為替取引論の基礎上に,貨幣信用の世界的なスケールでの展開と蓄積=金融グローバリゼーションがあり,その後に「国際通貨」の問題がくることを述べる。最後に,こうした基礎理論をもって,国際金本位制,IMF 固定相場制,変動相場制の特徴に言及した