publisher[要約] 低温菌であるフラボバクテリウム属の細菌が産生する低温活性タンパク質分解酵素: CAP7の遺伝子を単離し、その塩基配列を調べた。CAP7は、タンパク質分解酵素ファミリーの中でも、明らかにズブチラーゼなどが属するパイロリシンファミリーに属し、さらにCAP7の特徴として、典型的なズブチラーゼの構造に大きなペプチド断片の挿入やC末端側のペプチド鎖の伸長があることが分かった。しかし、こうしたCAP7特有の特徴は、パイロリシンタイプのズブチラーゼには、明らかに進化上の類似性を示していないことが分かった。こうしたCAP7特有のユニークな特徴は、CAP7が持つ高い低温活性と何らかの関連があるかもしれないと予想された。分子モデリングによって予測されたCAP7の立体構造は、ペプチド鎖の一次配列に挿入されている数々のペプチド挿入断片が、 CAP7分子の外部表面上と基質結合部位周辺に集中していることを示唆した。こうしたCAP7のユニークな構造は、 CAP7が持つ高い低温活性、熱に対する不安定性、さらには合成基質に対する高い基質特異性に起因していることが予想された。 [Abstract] The gene encoding the cold-active protease CAP7 from a psychrotrophic bacterium, Flavobacterium sp., was isolated and its nucleotide sequence was determined. CAP7 apparently belongs to the Pyrolysin family of subtilases based on its large i...