Toward a town building based on diversity and co-creation : about the relationship of sports and arts

本小論は、今後のまちづくりのポイントとなると考えられる、多様性と共創を核としたまちづくりについて、スポーツとアーツの関係性に着眼し論じるものである。今日においてまちづくりは、阪神淡路大震災を契機にNPO法が制定され、自然環境、福祉、文化、スポーツといった多様な活動の連携やさまざまな地域を包摂し、取り組まれている。その中で、まちづくりにスポーツを活用する施策としては、文部科学省による「総合型地域スポーツクラブ」事業がある。その中から住民と市の密接な協働により展開されている川添なのはなクラブの事例を取り上げ、クラブでの活動におけるスポーツとアーツが有する相互補完的機能によって、まちづくりに関わる諸アクターに好循環をもたらしていることを報告する。一見すると異分野と捉えられがちなスポーツやアーツあるいは農業の融合は、コンテンツの「多様性」と、これを担保する多彩な人材によるボトムアップ型の意思決定によって生み出される「共創」という視点は、地域における生活文化の一つひとつを橋渡ししネットワークを形成するという点において、今後のまちづくり政策における一つの重要な方向性を示していると考えられるのである。研究ノート(Note