What increases the acceptability of first-person Jibun in the subject/topic position?

日本語の「自分」は、照応用法のみが統合論的な観点から注目され活発な研究が行われてきた。一方、非照応用法に関しては十分な研究が行われず、特に自称詞用法に関しては「中国地方の方言」・「軍隊用語」・「体育会系の若い男性用語」といった社会言語学的な観点から議論されることが多い。本研究では、「自称詞用法の「自分」の使用意識と許容度」に関するアンケート調査の分析と『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の実例に基づく分析を通して、文法的な観点を中心に、自称詞用法の「自分」の許容度を上げる要因を考察した。その結果、「統語構造」・「文脈」という2つの観点から「言語内的要因」を明らかにし、また、「話し相手や場」を意識した場面・「他の自称詞との区別」を意識した場面という2つの観点から「言語外的要因」を明らかにすることができた