リアルタイムなコミュニケーション行為であるチャットに意味タグを付加したセマンティック・チャット機能を提案し, 進捗報告を行う電子ゼミナールに適用した事例を報告する.電子ゼミナールはタスクとして伝達会議であるが, 10人規模の大学生の参加者がいて, 進捗報告と関係なくセマンティック・チャット機能を利用可能であった.会話に付加できる意味タグは, Idea, 質問, 回答などであった.その結果, (1)タグ情報により, ゼミナールにおける参加者の行動形式を明示でき, 参加者のインタラクションとして, 質問に対する回答のチャットが多いこと, (2)ゼミナールで参加者が直接付加したタグと後から付加したタグの多くは異なること, (3)従来のチャットと比べて, セマンティック・チャットを用いた場合のチャットデータ数および意見データとしての可用性について差はみられなかった.また, (4)セマンティック・チャットは, 上級生がチャット参加の主流ではあるが, ユーザの参加を促したことが分かった.今後は, 意味タグを対話場面での様々な情報処理に応用することが期待される. : The semantic chat function allows users to add semantic tags to text-based chat, which is one of real-time communication activities. The function has been applied to an electronic seminar system in which ten university students participated to report their study pro...