双方向リアルタイム多地点遠隔講義には, 講師と受講生との間の自然なコミュニケーションの実現が非常に重要である.しかし, これまでの遠隔講義システムは音声・映像等の伝送遅延時間が大きく自然な会話が困難である場合や, 自然なコミュニケーションは可能であるが動作環境が2地点間接続に限定されている場合等, いくつかの技術的課題が残っている.我々は, 双方向リアルタイム多地点遠隔講義で機能するデジタルビデオを用いたリアルタイム処理機構を提案している.本機構は, 従来アナログ信号に変換してから行っていた音声ミキシング等の加工処理を, デジタルビデオ転送システムで伝送する音声・映像情報をデジタル信号のまま直接加工処理することで伝送遅延時間の短縮を実現するものである.本論文では本機構の比較性能評価を行った結果, 自然会話が可能な伝送遅延時間短縮を達成できたのでこれを報告する. : The realization of natural communications by the teacher and students is very important for successful interactive distance lectures among multi-sites. The conventional distance lecture systems have some technical difficulties such as the failure of natural communications with long transmission time-delay of audio/video information, and the system that only es...