On the Development of the Fundamental Abilities of Children in Music Education

情報化時代といわれる現在、児童をとりまく音楽的環境は、マスコミを通してあらゆる種類の音楽で満ちている。また、両親の音楽的関心も高まりつつあるし学校における音楽科教育も、戦後急速に進歩し、児童の音楽性も当然高まらざるをえない環境といえる。しかし、児童の音楽性の伸長に、まだいくつかの問題点を残しているのは、学校の音楽科の学力観や指導に片寄りがあるためではないだろうか。音楽性については、「音楽的感覚」と「表現能力」が考えられるが、現在の音楽科教育が、現実には、音楽性を高める活動として、評価の容易な「表現能力」、とくに、テクニックが重視される方向にあり、その指導に終始するきらいがある。また、内容、教材の選択においても、児童のもつ音楽的興味や欲求よりも、指導すべきとされる知識や技術技能に重点を置いて選択されやすい。そのため、児童は、本来の音楽の喜びや力を得ることのできないまま学習をすすめていることも多い。音楽科教育では、児童に優れた音楽を通しての音楽経験を数多く与え、自分自身で優れた音楽か否かをみきわめる力、身につけた感覚をもとに音楽にいどむ力をつけさせることが必要である。また、指導者は、旧来の技術技能先行の教育から、音楽的感覚、音楽にいどむ力、感動する心の育成を重視する教育へと、教育の中心に置くべきものを変えていかねばならない。Our main purpose of this study was to deal with reexamination of music education at the present time in which importance of techniques and knowledges has been emphasized too much. In our view concerning the music education in class, cultivation of sensitivity in music and development of creative ability should be the most important purpose. How the teaching materials could be prepared adequately for children were the first trial, and how the children's ability on this matter could be evaluated was another trial