本論文は法的安定性について述べたものであるが,それについてはまず,ラートブルフの法の理念として,その一つである法的安定性から出発する。すなわちそれは法による安定ではなく,法そのものの安定であるということを前提とするのである。そして次に,イギリスの内乱時代を経験しなければならなかったトマス・ホッブスの市民法観を考察する,その際,社会契約,服従契約を結び,一人格として統一せられたる社会を彼は国家と称し,かかる国家での法は主権者の命令であるとした。ホッブスの法的安定性はまず,このような主権者が立法者であることに在る。更には自然法もそれは市民法と区別し得るのではなくて,自然法は市民法でもあるという彼自身の特徴が法的安定性に通ずるのである。Diese Abhandlung ist dem Problem der Rechtssicherheit gewidmet. In bezug darauf beginnen wir zuerst mit der Betrachtung über die Rechtssicherheit als die Idee des Rechts von G.Radbruch. Dabei ist es vorausgesetzt, daß er darunter nicht die Sicherheit durch das Recht, sondern die Sicherheit des Rechts selbst versteht. Dann betrachten wir Thomas Hobbes' Anschauung von dem bürgerlichen Recht, d.h. dem positiven Recht. Hobbes selbs...
遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使しないとき、そのことが債権者の利益と対立する場合がある。本稿は、このような場合における両者の利益調整のあり方について示唆を得ることを目的とするものである。ドイツにお...
体育では,個人の学習諸レディネスに対応した教材編成が,運動学習の成否を左右する重要な意味を持つ。近年,なわとび運動が,技(とび方)を達成する技達成型のスポーツとして授業で取り上げられることが多くみられ...
一 問題の所在 二 現行家事審判法の特徴 1 実体法上のルールの裁量性 2 手続の非方式性=裁量性 3 職権主義とりわけ職権探知主義 4 まとめ 三 家事事件手続法の特色 1 後見性・職権性の維持と当...
本論文は,イエリネクの国家論における国家の三要素-領土,人民そして権力-のうち,その権力がボーダン以来いかに変遷して来たか,さらには古代,中世とさかのぼる時,権力そのものとしては考察されず,むしろ道徳...
一 問題提起 1 最高裁平成6年1月20日判決(金法)1383号37頁 2 被仕向銀行の過誤についての仕向銀行の責任 3 法的性質と当事者の権利・義務 二 ドイツにおける振込法以前の法状態 1 民法典...
法人である主たる債務者が破産し消滅した場合、保証人はその後に完成した主たる債務の消滅時効を援用できるか。これについて、二〇〇三年、最高裁判所は形式的な理由を示して否定したが、同じ年に、ドイツ連邦通常裁...
近年、労働時間短縮や雇用の流動化に伴い、労働者が複数の使用者の下で就労するケース(兼職)が増加している。就業時間外の時間をどのように利用するかは、基本的に労働者の自由であり、労働者は職業選択の自由(憲...
法的な父が、子との間の生物学的な父子関係の不存在を知らずに子を養育し、長期間扶養料を給付した後に、真実を知ることがある。その場合に、法的な父とされてきた者が、給付した扶養料を取り戻すことができるのかに...
第一章 序詞。法制史に於ける.時代的匿分。 第二章 羅馬法制史に於ける時代的区分 第一節 各時代の発見。 第一項 無關心なる註釈學派。 第二項 古典法の発見(サヴィニ、イエリンク)。 第三項 後期古典...
はじめに 一 問題設定―自主規制の制度設計分析の意義 (一)自主規制の概念 (二)政策手段としての自主規制 (三)自主規制の公法学的研究の意義 二 検討対象―貸金業規制の沿革と現状 (一)一九五四年―...
本稿はヘーゲル『精神現象学』の「自己意識」の章における「主と奴」に焦点をあわせて,この問題がいかなる観点から理解されねばならぬか,そしてその意義が何であるかを明らかにしようとするものである。なぜならこ...
運動学習(Bewegungslernen)において,学習者が自己知覚に基づいて,運動を習得することや修正することは,スポーツ実践において重要な能力とされている。また,有能な学習者としての,中核的学力と...
ボヘミア・モラヴイア地方(現チェコ共和国)では,中世以来チェコ人とドイツ人が共存していたが, ハブスブルク家がボヘミア王権を掌握して以来, ドイツ人が支配民族としてチェコ人の上に君臨してきた。 186...
ハイデガーの「存在史的思唯」は, 現代のポスト形而上学的思准に多大な影響を与えたが, それ以前の『存在と時間』(1927)においても, 彼は独自の歴史考察を行っていた。 本論では,『存在と時間』に至る...
「疎外された労働」(die entfrem dete Arbeit)の概念およびその展開こそは,『経済学・哲学手稿』の核心をなすものである。かくして,疎外された労働の概念把握は,「初期マルクスの研究」...
遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使しないとき、そのことが債権者の利益と対立する場合がある。本稿は、このような場合における両者の利益調整のあり方について示唆を得ることを目的とするものである。ドイツにお...
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