ヘーゲル『精神現象学』における「意識」の章は,意識がいかにして自己意識に至るかを「意識の経験」にもとづいて展開することにある。本稿では意識が自己意識に転換する「悟性」の意識形態に焦点をあて,とりわけその転換に重要な役割を演じる「顚倒された世界」を中心に,意識の真理が自己意識にほかならないことを明らかにする。すなわち「顚倒された世界」をもって「内なるものが現象であることが完成せられた」とはどういう意味か(I,II),「顚倒された世界」の真の意味はなにか(III),意識はいかにして自己意識になるのか(IV)。Im Kapitel über Bewußtseins in Hegels Phänomenologie des Geistes ist herrschend die frage: Wie wird das Bewußtsein zum Selbstbewußtsein? Aus der Erfahrung des Bewußtseins bezieht Hegel die Antwort: Die Wahrheit des Bewußtsein ist selbst nur Resultat einer umständlichen Bewegung, wodurch die Weisen des Bewußtseins, Meinen, Wahrnehmen und der Verstand verschwinden". Also muß man durch die Weisen des Bewußtseins feststellen, daß das Bewußtsein das Selbstbewußtsein ist. Dafür ist vor allem der ...
publisher奈良他者は否定し得ない仕方で,かつ多様な様態において,私にさしせまってくる.我々は生きている限り,様々な人と関わりつづけている.我々がこのように他者と関わることが出来るためには,何等...
今後,携帯電話所持によりますます子どもが近づきやすくなった残酷なメディアに対して,我々大人世代は,どう対処すればよいのだろうか。本稿の第Ⅰ章では,ヴルフのミメーシス(模倣)論に依拠し,人間のミメーシス...
序 Ⅰ イエナ期フィヒテにおける共同と相互承認の思想 (a) 『学者の使命』における他者と共同性 (b) 『自然法の基礎』における相互承認と共同性 (c) カントにおける「承認」の概念 Ⅱ イエナ期...
本稿はヘーゲル『精神現象学』の「緒論」を中心に,彼の認識論とその意図を探究するものである.彼は認識の問題がいかに措定されねばならないかを,カントの認識論を爼上に載せて,明らかにし,フィヒテの意識の見地...
ヘーゲルの『精神現象学』は,学の体系の序文かそれともその第一部かをめぐって様々に解釈されてきた。これらの論争を調停しようとしたのがヘーリンクである。しかし,彼の解釈はペゲラーによって誤りを指摘された。...
本稿はヘーゲルの『精神現象学』における「理性」の章に,とりわけその序論ともいうべき「理性の確信と真理」に焦点をあて,そこで展開されたカント,フィヒテ批判がいかなる観点からなされたか,またその意義は何で...
ヘーゲル『精神現象学』の「序文」は,「絶対知」を補って「論理学」への導入の役割を果たしている。したがって,その「序文」はいわゆる「序文」ではない。しかし,『精神現象学』がシェリング哲学に対する挑戦でも...
ヘーゲルは『精神現象学』のなかでフランス革命を「意味のない死」として否定したが,また,「最高の教養」ともみている。なにゆえ「破壊の狂暴」でしかないフランス革命が「教養の完成」なのであろうか。この小論は...
ヘーゲルの『精神現象学』における「絶対知」の課題は,「宗教」と「精神」においてそれぞれ即自と対自の形式で成立していた「存在と自己との同一性」を即且つ対自にもたらすことである。言いかえれば,「概念」の境...
ヘーゲルは『精神現象学』において「宗教」が精神の自己意識にほかならないことを明らかにして,啓示宗教としてのキリスト教の出現とその歴史的意義を精神の自己意識に即して展開している。しかし「宗教」は精神の自...
本稿はヘーゲル『精神現象学』の「自己意識」の章における「主と奴」に焦点をあわせて,この問題がいかなる観点から理解されねばならぬか,そしてその意義が何であるかを明らかにしようとするものである。なぜならこ...
application/pdftextヘーゲルの『精神の現象学』を読解するに必要な語学的知見のうち、並立接続詞のdennの意味を充分に弁えておくことは、きわめて重要である。というのも、この意味をどうと...
application/pdftextヘーゲルの『精神の現象学』を読解するに必要な語学的知見のうち、並立接続詞のdennの意味を充分に弁えておくことは、きわめて重要である。というのも、この意味をどうと...
ヘーゲルの世界史を論ずるに際しては,民族精神を明確にせずして論じ得ないのではないか。世界史は人倫としての民族精神の歴史である。本稿においては,まずその故に,民族精神を論じ,それが国家として始めて世界史...
体育では,個人の持つ能力や運動の習得状態の把握は学習指導上重要な意味を持つ。それは,体育学習が具体的な運動の習得を目指して進められるからである。そこでは運動技能をどのように捉え,どのように診断するかが...
publisher奈良他者は否定し得ない仕方で,かつ多様な様態において,私にさしせまってくる.我々は生きている限り,様々な人と関わりつづけている.我々がこのように他者と関わることが出来るためには,何等...
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