Current Perspectives of Sociological Theories of Aging

エイジング（aging）とは人が年をとることとは同義ではない。そして，老人あるいは高齢者は，年をとった人を意味するのではない。我々は，社会や文化の生み出す文脈の中で，あるいは社会や文化が創出した意味づけの中で，年をとり老人になっていくのである。エイジングもそうである。したがって，エイジングや高齢者・老人の問題を検討していく場合には，こうした社会や文化の語ることばとの関連の中で，あるいは社会的文脈や社会の側からの意味づけという点に留意して検討していく必要がある。本稿は，こうした点への留意をふまえ，社会学という学問体系において，この「エイジング」に対してどのような理論的アプローチが提起されてきたかを整理し，今後の研究の示唆を得ようとするものである。ここでは，PassuthとBengtsonの分類を下地にして，構造―機能主義，交換理論，シンボリック・インタラクショニズム，マルクス主義，現象学的社会学の五つの角度から整理を試み，これまで機能主義的エイジング論が主流であったが，これ以外のアプローチも徐々に芽生えてきているという指摘も行っている。Compared to the advancement of research studies of social gerontology,sociological theories of aging have made little progress exsept for those from the functionalist approach.But these days nonfunctionalist theories of social gerontology(or sociology of aging)are beginning to emerge.This paper and compares the underlying assumptions of major sociological theories of aging:structual functionalism,exchange theory,symbolic interactionist approach,political economy of aging,social phenomenology of aging