Pollen Germination and Pollen Tube Growth

実験材料として、サザンカ、ツバキ、チューリップ、ムラサキツユクサ、ホウセンカ、タマスダレ、およびテッポウユリの花粉を用い、ショ糖溶液(8.0％)にホウ酸(100ppm)とWhite無機塩類を加え、pH6.00に調製した基本培地、あるいは基本培地の一部を改変した培地上にこれらの花粉を散布して実験を行ない、以下のことが明らかになった。(1)ムラサキツユキサ(二核性花粉)花粉の生殖核と栄養核の花粉管内への移動の仕方はいく通りかある。(2)花粉の多くは、やや酸性の培地で花粉の発芽と花粉管の伸長がよかったが、かなり強い酸性の培地の方がさらに適している花粉(テッポウユリ)もあった。発芽と花粉菅伸長の最適pHはほぼ一致している(例外、テッポウユリ)。(3)花粉はショ糖濃度4～10％でよく生長するが、発芽と花粉管伸長の最適濃度は必ずしも一致しない。(4)培地中のショ糖は単に浸透圧調整のためだけでなく、花粉管の伸長の際、吸収、利用されるらしい。(5)いくつかの花粉は低温、乾燥状態でかなり長く貯蔵可能である