case report of occupational therapy for the acquisition of meaningful occupation in an elderly patient with a tendency to confinement; A case study of self-efficacy improvement by stepping through tasks based on self-perception of ability

高齢者は様々な喪失を体験する。喪失体験により意欲や自己効力感が低下し，閉じこもりにつながる可能性がある。特に健康の喪失を伴う入院後の高齢者に対し，退院後の閉じこもりを予防するためには，意味のある作業の実現により自己効力感を高め，役割や目標のある自立した生活の獲得を目指す必要がある。能力の自己認識と客観的評価では乖離がみられ，自己効力感低下が残存することがある。 今回，心身機能やできるADLが改善した後も能力の自己認識低下が残存し，病室に閉じこもった対象者に対して，能力の自己認識とOTR評価との差を共有，段階的な課題設定，実践の繰り返しによる認識修正を 図った。結果，自己効力感が改善し，意味のある作業の獲得，主体的活動への行動変容につながった。一方で，QOLの観点では先行研究で示されるような効果は見出せなかった。病院という限られた環境では，真のニードを満たすことが出来なかったが，医療・介護連携の重要性が示唆された。能力の自己認識と課題設定の段階付けに着目した作業療法実践は意味のある作業の獲得，および退院後の閉じこもり脱却に向けて効果がある可能性が示された。journal articl