エスキシェヒル カラチャイゴ　ニ　オケル　アスペクト　ヲ　アラワス　フクザツ　ジュツゴ　ヲ　ケイセイ　スル　ケイシキ　tebre

エスキシェヒル・カラチャイ語におけるアスペクトを表す形式“tebre”- を記述した。エスキシェヒル・カラチャイ語は、トルコ共和国で話されている、いわゆる消滅の危機に瀕した言語のひとつである。系統的には、トルコ語と同じくチュルク系の言語である。エスキシェヒル・カラチャイ語についてのこれまでの記述はほとんどなく、本研究でとりあげた“tebre-” についての記述も全くといっていいほどない。そこで、本研究では“tebre-” の性質を明らかにし記述することを試みた。本研究ではフィールド言語学的方法により、まず母語話者から“tebre-” に関するデータを収集した。収集したデータは、伝統的な方法にとらわれずに、語彙概念構造(Lexical Conceptual Structure) の枠組みに沿って記述した。本研究の結果、エスキシェヒル・カラチャイ語における“tebre-” が一見「～しはじめる」「もうすぐ～する」という多義性を持つように見えるが、語彙概念構造レベルでは「開始」という一つの意味を持つことが明らかになった。論