1978-1979年, 第20次日本南極地域観測隊にて, 南極海インド洋区におけるクロロフィルa量の水平・垂直分布を調査した。12月中旬に東経110度から90度へかけ南緯34度から60度への南下航路上, 12月下旬~1月上旬に南緯60度以南域を東経90度から39度へかけての西方航路上, および2月下旬~3月上旬に東経40度から51度へかけ南緯65度から34度への北上航路上において, 2時間間隔を含む表面観測を行った。北上航路上の南緯52度以南域では, 6観測点にて水深500mまでの垂直分布を調べた。南下航路上では南極収束線域に高クロロフィルa量(1.0mg/m^3以上)がみられたが, 北上航路上では亜熱帯収束線域に0.5mg/m^3以上の値がみられた。両航路上における表面クロロフィルa量の緯度変化の相異から, 植物プランクトンの季節変動が示唆された。西方航路上におけるクロロフィルa量の経度変化は, 湧昇現象に関連すると思われた。0-250m水柱内クロロフィルa現存量は, 16.8~39.4mg/m^2であり, 水深50~100m付近に弱い亜表層クロロフィル極大がみられた。Horizontal and vertical distributions of chlorophyll a in the Indian sector of the Antarctic Ocean were investigated during the 20th Japanese Antarctic Research Expedition in 1978-1979. Surface observations including the two hours interval observation were ...